赤平の街は空知川の作った広い谷にある。この山付きにかつての炭鉱があり、その横を流れるのが小町川だ。

洗炭の川から拾う資源

この小町川にはバックと呼ばれる落差に対応した池が連なっていた。石炭を上流で洗う。そのときに小さく砕けて小さな石炭の破片がでる。池は石炭を集めるためのものだった。上流の歩留まりのいいところは、住友が自分で回収する。国道から北側、下流の空知川との合流点までの数十メートルの間に6段のバックを作り、微粉炭を回収していたのは西出だった。それでも、空知川に届くまでに、水が澄むことはなかったという。「7,000カロリーを超えますからね。大変な資源です」。微粉炭をミックスして、火力を調整、一般家庭や北海道電力にも販売していた。西出興業は、住友炭鉱から回収の権利を譲り受け、販売体制を作っていた。

 

燃料販売は、そのまま石油、ガスへと進化

この微粉炭を含めた燃料販売の店舗は、政府のエネルギー転換政策、閉山を受け、いち早く石油の販売、ガスの販売と燃料販売のノウハウが引き継がれてゆく。自動車が普及すると、修理、ガソリン販売、タクシーと、街に必要な事業は炭鉱が生きていた時代から続いている。地元の要求をよく観察し、規模の小さい街の多角経営でコツコツと支えた結果が、企業の成功となっている。