• 日時:2016年4月12日18時30分〜
  • 講師:宮原浩さん
  • 場所:カレーとコーヒーの店「カンペシーノ」

 

日本の推理小説史概略

世界の推理小説はポーから始まる。日本では江戸川乱歩からはじまる。横溝正史は時代が重なるけれど、戦後が主な活躍。

1970年台には松本清張や森村誠一が登場。松本以降は、本格派。警官が地道に捜査して解決していく。横溝は停滞しているが、角川が映画化して脚光を浴びた。

その後、綾辻行人や有栖川有栖などが新本格派として登場。その後、三上延や太田紫織。

 

宮原浩が選ぶベストスリー

第3位:綾辻行人の「時計館の殺人」

第2位:有栖川有栖「双頭の悪魔」

第1位:横溝正史「八つ墓村」

 

八つ墓村のあらすじ

割愛します。

 

八つ墓村のトリック

推理小説のトリックは密室、アリバイ、一人二役などがあるが、八つ墓村は「無差別殺人の中にある論理性」がポイント。

 

1977年の映画化

宮原が小学生の頃は角川、東映で横溝映画がバンバンやっていて、どれもものすごく怖かった。映像化によって、配役が端折られてしまうがとても大切な人物が多くの映像が端折られていしまう。里村慎太郎、里村典子など。

横溝小説ヒロイン総選挙でも里村典子がナンバーワン。

 

里村典子

「月足らずの子」という表現、主人公の第一印象は「醜い」。印象が薄く「いくらか足りない」。再会したときに少し印象が変わる。ただし、醜い印象に代わりはない。3度めに会った時には愛情の告白らしきものを典子から主人公は受ける。ただし、主人公には愛情は「微塵もない」。辰也は村人から疑われる中、典子だけが信じてくれていることで気持ちが近づいていく。ラストシーンは、他の横溝作品にはない読後の清々しさ。