恒例の鹿子舞交流会が開催されました。今年は町内で活動中の4団体全てが参加しました。

  • 期日 2019年1月27日(日)10時00分〜12時00分
  • 場所 厚沢部町町民交流センター

 

トップバッターは上俄虫鹿子舞です。私も出演していたので写真がありません。カメラマン募集です。

 


安定した実力の土橋鹿子舞

土橋鹿子舞といえば選手層が厚く、10年ほど前には踊り手を2組作れたほどでしたが、近年では後継者不足で苦しんでいるようです。しかし、今年は小学校5年生の男の子がメジシとして踊りました。写真中央が5年生の男の子。

 

オジシがメジシをエスコートするようにヤマの周りを一周します。

 

オジシがヤマを引き抜きます。ヤマを引き抜くことでヤマを征服する=ヤマの頂上に登ったことを意味すると説明されます。踊り前半のクライマックスです。

 

「ヤマ上がり」から間髪入れずに「メジシ争い」に移ります。一頭のメジシをめぐって二頭のオスが争います。写真右側がオジシ、左側がシラサギです。シラサギは年長のオス鹿子と説明されます。

 

激しく争う二頭の鹿子。ケンカは2回行われます。最初はシラサギが勝ちますが、リターンマッチを挑んだオジシが最後に逆転勝ちをします。

 

ケンカの後はメジシも加わって三頭が仲良く踊ります。「おいとまごい」とか「なかなおり」と呼ばれる場面です。

 

踊り手の顔見せ。汗だくです。

 


唯一の神楽系獅子舞=目名権現獅子舞

目名権現獅子舞は町内唯一の神楽系獅子舞です。美和集落は天正年間(1570年代〜)に集落の草分けが移住したという伝説があります。また、天狗の伝承も伝わっており修験や山伏神楽との関係も興味深いところです。

権現獅子舞の道行き。権現獅子舞は道具類が非常に多く、運び手

 

 

演目の後半ではシロギツネが現れて獅子にちょっかいをかけます。

怒らせた獅子に追い回されるシロギツネ。

 


少数精鋭当路鹿子舞

当路鹿子舞は厚沢部川河口のどんば(現江差町柳崎町)から明治期に鹿子分けを受けたと言われています。中腰の激しい踊り、というのが当路鹿子舞を表現する文句です。

 

「ヤマ上がり」の場面を熱演するのも当路鹿子舞らしさです。激しくヤマを引き抜いた後、オジシがばったりと倒れます。ヤマの神霊の力に圧倒されてしばらく動けない様と説明されます。

 

「メジシ争い」の場面では二頭の鹿が角を突き合わせて激しく争います。最初にシラサギが勝って、リターンマッチを挑んだオジシが二度目には勝利するというのはどこの鹿子舞も共通しています。

 

三頭が仲良く踊る「おいとまごい」

 

(2019年1月27日 石井淳平