名称
清浄光寺
所在地
神奈川県藤沢市西富1丁目8-1
宗派
時宗
本尊
阿弥陀如来
創建
正中2年(1325年)
ウェブサイト
http://www.jishu.or.jp

静けさの中にある時宗総本山

 

参道を上りきると、旧東海道を見下ろす時宗総本山清浄光寺(しょうじょうこうじ)、通称「遊行寺(ゆぎょうじ)」は静寂に包まれている。

境内にそびえる大イチョウは、台風で上部が折れて更に強い力を放つ。長い急傾斜の参道の桜並木の印象が残らないほどだ。

この大イチョウが見守った江戸時代の藤沢宿はどんな光景だっただろう。

 

寺の後背に緑豊かな山が広がる。海のイメージが強い藤沢。ここにいると山間の古都にいるような感覚になる。

感性の豊かな年嵩の友人がぼそりと言う。

 

「藤沢っていいな」

 

 

 

緑の大きな屋根の本殿。その近くには宗祖一遍上人(いっぺんしょうにん)の銅像。

一遍上人は「南無阿弥陀仏」の六字を唱えると救済されると説き、生涯を通じて布教や修行のために各地を巡り歩く「遊行」を続ける。

分かりやすい信仰が「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えながら踊る「踊り念仏」を産み、現在の盆踊りへとつながる。

 

本殿の左手に進むと、建造物の中で最古の(安政6年(1859年))「中雀門(ちゅうじゃくもん)」が現れる。

紀伊大納言徳川治宝公が寄進した「中雀門」には菊の御紋と三葉葵が刻まれている。

 

 

「遊行寺」の開山は正中2年(1325年)。遊行四代呑海上人(どんかいしょうにん)が極楽寺の旧跡に寺を建てたことが始まりだ。

鎌倉の極楽寺の前身とも言われる旧極楽寺には、病気や怪我に苦しみ行き場を失った多くの人たちが集まった。

医療・福祉施設としての機能を兼ね備えた極楽だったのだろう。時宗もまた戦時において敵味方を隔てなく治療を行った。

極楽寺の旧跡を寺の場所に選んだ理由はここにあるのだろうか。

 

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