ここでは、さわらびの道 について紹介します。

在所:京都府宇治市・・・

【ポイント】

①.開運不動尊から宇治神社までの間は、古民家の間の緩やかな登り道。

②.宇治神社から源氏物語ミュージアムの間は、木立の中で歴史に想いを通わせる遊歩道となっている。

【関連写真】

 開運不動産前の道標(さわらびの道) 2020_10_20 金只   宇治神社横入口2020_10_20 金只   

 宇治神社裏口の案内板2020_10_20 金只   宇治十帖(案内板)2020_10_20 金只   

 宇治上神社鳥居2020_10_20 金只   宇治上神社門前2020_10_20 金只   

 与謝野昌歌碑2020_10_20 金只   案内板(与謝野昌歌碑)2020_10_20 金只   

 作者不明の歌碑2020_10_20 金只   作者不明の歌碑2020_10_20 金只   

 木陰の休憩所2020_10_20 金只   道標(さわらびの道)2020_10_20 金只   

【補足説明】

①.源氏物語 宇治十帖(四)より・・・宇治神社裏口

 早蕨(サワラビ)

 年改まり、宇治の山荘にも春がきた。

 今年も山の阿闍梨から、蕨や土筆などが贈られてきた。

  中君は亡き父君や姉君を偲びつつ

   この春はたれにか見せむ亡き人の

    かたみにつめる峰の早蕨

と返歌なさった。

 二月の上旬、中君は匂宮二条院へ迎えられ、行先の不安を感じつつも、幸福な日々が続く。

 夕霧左大臣は、娘の六君を匂宮にと思っていたので、失望し、薫君にと、内意を伝えたが、大君の面影を追う薫君は、おだやかに辞退した。

 花の頃、宇治を思いやる薫君は、二条院に、中君を訪ねて懇ろに語るが、匂宮は二人の仲を疑い始める。

    平成18年10月   宇治市文化財愛護協会

②.与謝野昌の詩の紹介版より

 橋姫(ハシヒメ)

  しめやかに 心の濡れぬ 川ぎりの

   立舞ふ家は あはれなるかな

 椎が本(シイガモト)

  朝の月 涙の如し 真白けれ

   御寺のかねの 水わたる時

 総角(アゲマキ)

  こころおば 火の思ひもて 焼かましと

   願ひき身をば 煙にぞする

 さわらび

  さわらびの 歌を法師す 君に似ず

   よき言葉をば 知らぬめでたさ

 宿り木

  あふけなく 大御女を いにしへの

   人に似よとも 思いけるかな

②.作者未詳の詩紹介板

 そらみつ 倭(ヤマト)の国 あおによし 奈良山超えて 山代の 管木(ツツキ)の原 ちはやぶる 宇治の渡瀧(ワタリタキ)つ屋の 阿後尼(アゴネ)の原を 千歳に闕(カ)くる事無く 萬歳(ヨロズヨ)に あり通わんと 山科の 岩田の杜の すめ神に 幣〇(ヌキ)取り向けて われは超え行く 相阪山を

 この歌の作者は未詳で、「大和の国の奈良山を超え、山城の国の菅木の原、宇治川の渡し場、龍つ屋の阿後尼の原と続く道を、いつまでも欠かさず、永久に通いたいと、山科の石田の神社の神に幣〇(ヌキ)を手向けて祈り私は超えて行く、相坂山を」という意味である。

   平成4年10月   宇治市