ここでは、九頭神廃寺史跡公園 について紹介します。
在所 | |
種別 | 市指定文化財 記念物 史跡 |
指定 | 平成19年04月01日 |
所有 | 枚方市 |
【ポイント】
①.九頭神廃寺史跡公園はここと、道路向いの東公園で成り立っている。
②.この公園内の史跡は以下の二つ
・宝憧遺構あり。
・築地のモニュメントあり。
【関連写真】
公園標石2013_05_13 金只
公園全景2013_05_13 金只
説明板(宝幢遺構)2013_05_13 金只
説明板切出し(九頭神廃寺寺院北西域遺構配置図)
6.説明板切出し(寺院とその周辺(居館・氏神)
復元した築地2013_05_13 金只
説明盤(築地)2013_05_13 金只
【補足説明】
①.九頭神廃寺史跡公園(クズガミハイジシセキコウエン)
九頭神廃寺は飛鳥時代後期から奈良時代にかけて建立された古代寺院で、平安時代に廃絶したものと考えられています。字「ドンドン山」付近では、明治20年代銅造(ドウヅクリ)誕生釈迦仏立像(タンジョウシャカブツリュウゾウ)(市指定文化財)が発見されたほか、昭和8年には焼けた土壇(ダン)とともに鉄釘や青銅製品などが出土し、確かな古代寺院存在の証が得られました。しかしその後、付近一帯は宅地化され、時には幻の古代寺院などと呼ばれることもありました。
昭和58年以降、発掘調査を精力的に実施し、塔跡(瓦積基壇(カワラヅミキダン))が発見されたほか、周辺部でも建立氏族の居館と目される、大型掘立柱建物群(第168次調査)が検出されるなどの発見が相次いでいます。延喜式内社久須々美(エンキシキナイシャ クススミ)神社(氏神)が寺院地の南西角部に隣接して造営されていたことも判明しており、付近一帯は寺院(氏寺)を取り巻く古代の景観を具体的に復元できる、重要な地域として注目されます(図1)。
平成17~19年にかけて実施した第206次調査では、寺院地の北西域の外郭施設や内部施設が良好な状態で見つかりました(図2)。外角施設としては、西面大垣(SF2・3)によって区画された二つの付属院地(倉垣院(ソウエンイン)と北西院)と寺院地内道路などがあります。付属院地は、塔などの中心伽藍周辺部に造営された寺院経営にかかわる施設で、さまざまな役割に分かれていたと考えられています。これら付属院地の検出は地方寺院では初の検出例となるもので、その意義には計り知れないものがあります。
ここに大阪府などの関係機関の御協力を得、倉垣院を中心とする範囲と外郭施設の一部の永久的な保存を図り、「市指定史跡 九頭神廃寺」として整備することとなりました。生きた歴史教育の場として、かつ地元の皆さまの憩いの場として広く活用されますことを切望致します。
平成22年3月 枚方市教育委員会