ここでは、多羅葉の木 について紹介します。

在所:香里ケ丘十二丁目6-16・・・観音寺山公園内

【ポイント】

①.はがきの語源となった樹木。

②.樹木は、雌雄異株で各1本が中山観音寺跡の案内板の前の広場に「七夕の会」の手によって植樹。

【関連写真】

 中山観音寺案内板前の雄の木2017_11_06 金只   中山観音寺前広場の雌の木2017_11_06 金只   

 書込んで直ぐ黒に変色2017_11_06 金只   枯葉になっても黒色文字が残る2017_11_06 金只   

【補足説明】

①.学術的分類

 ・界 : 植物界 Plantae

 ・門 : 被子植物門 Magnoliophyta

 ・綱 : 双子葉植物綱 Magnoliopsida

 ・目 : ニシキギ目 Celastrales

 ・科 : モチノキ科 Aquifoliaceae

 ・属 : モチノキ属 Ilex

 ・種 : タラヨウ I. latifolia

 ・学名:Ilex latifolia

 ・和名:タラヨウ(多羅葉)

 ②.はがきの語源となった経緯

 葉の裏面に傷をつけるとその部分のみが黒く変色し、長期にわたって残るため、字を書いておくことができる。ここから、ジカキシバ、又はエカキシバともいわれる。戦国時代にこの葉の裏に文字を書いて情報のやりとりをしたという話もあり、これがハガキ(葉書)の語源になったといわれ、葉書の木、郵便局の木と呼ばれることもある。

 葉の裏面に経文を書いたり、葉をあぶって占いに使用したりしたため、その多くは寺社に植樹されている。

 また、葉の裏面を傷つけると字が書けることから、郵便局の木として定められており、東京中央郵便局の前などにも植樹されている。

③.多羅葉の語源

 文字を書くことのできる性質がインドで経文を書くのに使われた貝葉の原料であるヤシ科のタラジュ(多羅樹、Corypha utan)という木のようだということで、タラヨウ(多羅葉)名前の由来となっている。

④.多羅葉の国内分布と特徴

 本州静岡以西~九州、中国、四国に分布する。関東にも植樹されていることがある。中華人民共和国にも自生する。

 雌雄異株で、花期は4~5月頃、4mmほどの小さな淡黄緑色の花が群れて咲く。秋には8mmほどの小さな球形の赤い実がなる。

 葉は肉厚で20センチほどもある長楕円形をしており、その縁は鋸のように細かいきざぎざとなっている。

 中国では苦丁と呼ばれており、葉を煎じて飲用に供している(→苦丁茶)。