ここでは、意賀美神社の木造12善神 について紹介します。
在所:意賀美神社参集殿宝物館内
【ポイント】
①.明治5年の廃仏稀釈令で廃寺になった萬年寺にあったもの。
②.行者を守護する十二体の善神
【補足説明】
①.展示説明板より
わが国に仏教が伝えられて以来、釈迦如来をはじめとする多くの仏たちの存在を知ることができました。その中で仏教信者が、特にすがるような気持で造像し拝んだ仏は薬師如来であって、その信仰は、浄土教による阿弥陀如来が盛んとなった平安時代までの、主役であったといえましょう。
古来の僧たちは、この薬師如来の信仰をすすめるに当たって、それは、いかにも実在の人物であるかのように語り伝えてきました。その伝えはいろいろの経典によるのですが、これらを一つにまとめますと次のようになります。
薬師は、インドの王子として生まれましたが、衆生の苦しみをみて、十二の大誓願を立てました。その大願が成就して、仏界の東方に浄瑠璃国を建設しました。それは、阿弥陀如来が建設された西方の極楽浄土国に匹敵する大国でした。
薬師は行によって、一切衆生を無明の病疾から救い出すことができる法力を身につけました。それは現世だけでなく、来世にまで福徳・利薬を与えて下さるというご利益ある仏となられたのです。
ところが、薬師は苦行中に、いろいろの悪魔たちから行を妨害されました。その時この薬師を助け、悪魔たちと戦った十二体の善神たちがいたのです。
②.十二神将・十二支・本地仏の関係は以下のとおり
宮毘羅(クビラ) 子 弥勤菩薩
伐折羅(バサラ) 丑 勢至菩薩
迷企羅(メキラ) 寅 阿弥陀如来
安底羅(アンテラ) 卯 観音菩薩
頞に羅(アニラ) 辰 如意輪菩薩
珊底羅(サンテラ) 巳 虚空蔵菩薩
因達羅(インダラ) 午 地蔵菩薩
波夷羅(ハイラ) 未 文殊菩薩
摩虎羅(マコラ) 申 大威徳明王
真達羅(シンダラ) 酉 普賢菩薩
招杜羅(ショウトラ) 戌 大日如来
毘羯羅(ビカラ) 亥 釈迦如来