ここでは、楠葉北公園(楠葉東遺跡) について紹介します。

在所:枚方市北楠葉36-26

【ポイント】

①.この公園から北側の斜面一帯の宅地開発で多くの遺跡を発見した。

②.四天王寺の瓦を焼いたと思われる窯跡を検出。

③.燃料の木材が入手でき、男山で良質の粘土の採取が可能で、淀川の船運が活用できる立地。

 ④.当公園に、その説明板を設置することで遺跡の存在を記録。

【関連写真】

  楠葉北公園の説明板2013_07_21 金只

【補足説明】

①.楠葉北公園内現地説明板より

 1974~75年にかけて行われた、付近一帯の宅地造成に先立つ発掘調査で、平安時代後半以降の土器を焼いた窯跡などが発見されたほか、黒色土器・瓦器などが「梁塵秘抄」にうたわれた土器つくりの里と考えられます。また最下層からは、有舌尖頭器(ユウゼツセントウキ)(やり先)・ナイフ形石器など旧石器時代の石器類が約800点出土しました。

 さらに、1978年には、ここから約500m北方の京都府境の丘陵斜面で、東西に並ぶ6基の窯跡の存在とこれらに伴う灰原が確認されました。東端に位置する第5号窯は登窯で、一部を発掘調査することができました。この窯内からは、山田寺式の単弁八葉漣華文軒丸瓦・重弧文軒平瓦とともに須恵器が出土し、また他の5基からも、前庭部と灰原から四天王寺創建に使われた素弁八葉漣華文軒丸瓦・素文軒平瓦・鴟尾(しび)等の他、須恵器が出土し、この瓦窯群が四天王寺に付属するもので、操業は飛鳥時代(今から約1400年前)にまでさかのぼると考えられます。

 なお、1985年の京都府側の調査で、窯跡は計8基あったことがあったことがわかります。     2006年2月 枚方市教育委員会

②.近くの参考情報 

 公園に隣接する建物は、北楠葉自治会館です。

 道路を挟んで南側には、天満川緑道が整備され、この北入口には、八幡宮への道標があります。

 この道標から道なりに北東に進むと、楠葉登池遺跡(楠葉北小学校)を経由して交野神社にたどり着きます。

 この天満川緑道を北西に進むと、新設の道路沿いの緑地を通って北楠葉町信号を渡って住宅街の中の公園を縦断して樟葉砲台跡地にたどりつきます。

【参考情報】

平野瓦窯群;この付近から八幡市橋本地区にまたがる丘陵地帯に広がる遺跡群の内、瓦窯群(その殆どは八幡市側)を言う。