ここでは、瓦組暗渠 について紹介します。

在所:九頭神廃寺史跡公園内

【ポイント】

①.丸瓦を2枚あわせて土管状にして排水暗渠にした。

②.排水溝下層から金属加工の遺物を発見。

  鞴(フイゴ)の羽口のほか、鉄滓・鋳造剥片・銅滓や不明銅製品などが

③.金属加工跡地に倉垣院などの付属院として利用

【関連写真】

​ 説明板(瓦組暗渠)2013_05_13 金只​   

​ 案内盤より(瓦組水路下敷き)​   案内盤より(瓦組水路被せ)​   

​ 案内盤より(築地横断箇所)​   

【概要説明】

①.現地案内板より

 丸瓦を2枚あわせて土管状(①・②)にして、丸瓦の幅の広い方に狭い方を挿し込んで連続させたものです。東西基幹配水溝(SF3089)も北端部において、東西方向に長さ約2.3mにわたって検出されました。暗渠とは、土塁や築地など上部構造物の下に流す施設です。

 この瓦組暗渠の検出により、倉垣院と北西(政所)院との間に築地(SF2)があることが分かりました。

 東西基幹排水溝(SD3089)やその下層の不定形な土穴から鞴(フイゴ)の羽口のほか、鉄滓・鋳造剥片・銅滓や不明銅製品などが出土しました。

 これらの遺物は、金属加工などが行われていたことを端的に示すもので、堂塔などの中心伽藍造営当初には金属加工などが行われ、その後、この地は倉垣院などの付属院地として利用されたものと考えられます。