これらの蔵は明治43年から平成21年まで酒問屋小森商店の本庄支店の蔵として使われていた。
小森商店は本店は騎西にあり、現在は株式会社釜屋として埼玉の地酒で有名な「力士」を販売している。
一の蔵(板張り、元は黒漆喰)は明治12年築造の書類などを保管する店蔵。二の蔵(白壁)は明治22年築造の味噌、醤油の蔵。三の蔵(赤煉瓦)は大正10年築造の完成した商品を保管する酒蔵。
築造された時代によって外装が違うのが面白い。
小森商店開業前の江戸時代、ここには「穀屋」という店があった。主は真塩治右衛門で穀物、醤油などを扱っていた。文化年間には旅籠屋も経営していたそうだ。
一の蔵、二の蔵は穀屋時代に、三の蔵は小森商店時代に築造されたものだ。
小森商店が閉店した後、市民グループ「本庄まちNET」の保存運動により、平成22年、敷地全体が「本庄宮本・蔵の街」として生まれ変わった。

(中山道最大の宿『本庄宿』の再発見 改訂版(2017.11):埼玉県北部地域振興センター本庄事務所)