無字の碑は、長野県伊那市高遠町東高遠の高遠城址公園二ノ丸に建立された石碑である。

この石碑は、昭和24年に有志により当地の名士である、伊澤多喜男を顕彰するために建立された。

生前、伊澤多喜男は東京市長台湾総督などの重要職を勤める一方で、郷土である高遠を愛し治山治水に力を尽くしたこともあり、

郷土の人々はその功績を永く顕彰すべきと頌徳碑の建設を計画したが、

それを耳にした伊澤が「生存中に頌徳碑などまかりならぬ」と断固として承知しなかったため、一切の字を刻むこと無く建てられた。