平尾 入定塚 (にゅうじょうづか)

稲城市平尾2丁目84−8

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平尾宅地分譲住宅に隣接する中世の歴史的遺物です。ただし、市の文化財指定はありません。

平尾地区南部の川崎市境に中世の塚と言われる入定塚と十三塚があります。

・入定塚(にゅうじょうづか)は一辺が約10.8mの四角形の塚で、昭和34年に行われた東京都教育委員会の調査によると、室町時代末期の天文5年(1536年)につくられた塚であることが判っています。

発掘調査で発見された遺物は板碑9基、古銭45枚、鉄釘7本などで、そのうち1基の板碑に「天文五年丙申(ひのえさる)八月十五日 長信法印入定上人」という文字が刻まれていました。これにより、室町時代末期の天文五年(1536年)に長信という僧侶が入定(塚の中に入って経文を唱えながら即身仏となる)した塚であることが明らかになりました。

塚を掘り下げた中央部から小石を敷き詰めた四角形の主体部が発見されこの主体部は1.8m×2.1mの広さで、四隅に柱を立てて板囲いの部屋を作っていた痕跡が残っており、この中に僧侶が入ったようです。主体部の南側には一段高い土壇が作られ、信仰の施設であることを物語っていました。

 

また、当地より出土した板碑、9点は小金井市 江戸東京たてもの園に収蔵された。  (市・板碑238号~246号)

板碑 詳細/紀年銘/種子/西暦/状態

●市・板碑第238号 應安八年   弥陀 1375年 下欠

●市・板碑第239号 永和五年正月□日 弥陀  1379年  完

●市・板碑第240号 至徳元年   弥陀  1384年  完

●市・板碑第241号  明徳五年   弥陀  1394年  完

●市・板碑第242号  應永州二二  弥陀  1427年  完

●市・板碑第243号  享徳二年   弥陀  1453年  完 

●市・板碑第244号 長禄ニニ年   弥陀 1460年   完 

●市・板碑第245号  天分五年 申丙 八月十五日 大日報身真言 1536年 上欠  

●市・板碑第246号  □□  / 弥陀 /  / 上欠

 

(※現状保存の意味合いが強く、柵囲いで立ち入り出来ないため展示・見学出来る状態にはない。塚・土壇部が小山となり確認出来る程度です。) 郷土資料室では入定塚と十三塚の写真や実測図を展示しています。(ふれんど平尾2F) 稲城市 生涯学習課  東京都稲城市東長沼2111番地  電話:042-377-2121  ファクス:042-379-0491

郷土資料室では入定塚と十三塚の写真や実測図を展示しています。(ふれんど平尾2F)