この戸隠人形の山車は、遠く天保年間の作とされ、人形は天手力男命。作者は名工の誉れ高い深川佐賀町の二代目仲秀英であります。この山車は長く江戸天下祭りに参加していましたが、明治24年、東京神田の紺屋さんが個人で所有していたのものを、熊谷市中家堂の二代目主人中村藤吉を中心とした数名が世話人となり購入しました。伝えられる買取金額は五百円。米一石の価格が七円の時代の話でありその快挙は永く讃えられ続いています。