数百メートルの小さな商店街、下諏訪町の御田町（みたまち）商店街を歩いた。この町は殆どの家に温泉が引かれていて、この商店街にも二つの「銭湯」つまり公衆浴場がある。それだけでもうらやましい。

大正元年創業の酒蔵があった。長野県内で穫れた米を誇らしげに説明する。それで出来た酒を造り、売る「御湖鶴」（みこつる）。米のことを訊いたり、酒のことを訊いたり、なにを訊ねても、店員の青年の堂々とした説明に「君は若旦那か？」と言ってしまった。一番旨いのは木島平村だけで作っている金紋錦という米で作った酒、金紋錦。

しかし、今回はこれを飲めと、新酒をくれた。まさに今上がったばかり、年末にむけて、今年の米だけで仕込んだ酒を試飲させてくれた。甘い。強い旨味。いい口あたりだ。つまり、金紋錦はまた来たときに買え、つまり、また来いってことか。

よし一本買うぞ。