ITができる人材がもっともっと被災地に入り込んでいくべき

「普段は吸わないのですが、被災地支援の時には、僕は煙草を持って現地に入るんですよ。救援物資に煙草とお酒が入ることは絶対にないから」。

 

Hack For Iwateの鈴木亮さんがボランティア活動を始めたのは、新潟県中越沖地震からだそうです。

 

「2か月半現地にいて、避難所や災害対策本部の秘書のようなことをやっていました。災害対策本部には、住民からも外部からもさまざまな人が訪れて、とても細かいことまで案件として上がってきます。何も事前調査していないようなマスコミの人に対しては、毎回同じことを説明しないといけない。避難所本部の方たちが、その細かいことまでいちいち対応していると、本来の大事な仕事ができない。もちろん本部の方たちも地元の人なので、それぞれの家庭のこともある。なので、本当に本部が対応しなければならないこと以外、細かいことは私がフロントとして対応していました。そうすることで本部の人が本来やらなければならないことに集中することができます」。

 

「煙草を配っていると自然とたばこ吸いのグループができてくる。そこには被災地の長(おさ)の方々、年配の方々が結構いらして、いろんな本音のニーズが聞けるんです。その内容を本部に持ち帰ったり、その後の対応に活かしたりします。避難所本部で話し合われたことなどをネットに公開しました。中越地震の時はブログでしたね。毎日、A3の1枚の用紙にまとめて新聞も発行していました。すると全ての情報が集まってくるようになります。本来の『情報処理』ですよね。ITができて情報処理ができる人材がもっともっと被災地に入り込んでいくべきだと思います」。

 

その後結婚して3歳と1歳半のお子さんもいる鈴木さんは、東日本大震災では現地に張り付くのではなく、ネットを使った活動と現地でのニーズの収集に精力的に取り組んでいらっしゃいます。

 

「遠野まごころネット」を活動母体とする鈴木さん、Hack For Japanとの関わりは、学生時代に一緒にITベンチャーで働いていた川崎さん(Twitterアカウント:@kawanet)に呼びかけられたのがきっかけとのことです。

 

(取材日:2011年12月18日 ネットアクション事務局 前田由美)

 

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