◎農業遺産とSDGS◎
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人間が豊かな暮らしを求め犠牲にしてしまった自然の形はたくさんあるが、昔からの里山の姿を大切に守り現在まで続けているのがみなべ町の農業のすばらしさである。
自然と人との共生がこれほどうまく行われていること、残っていることは珍しい。
日本が誇る古き良き農業の形であると同時に、持続可能な農業としてこれからの農業の手本となる事例である。
近年では、山を切り開くことによって生まれた問題と、山に人の手が入らなくなったことによる問題というように、山の問題も様々な側面があると思うが、みなべでは、人が梅を育
てることで山の生態系が維持され、山と人の間に「持ちつ持たれつ」の関係が成立している。まさに持続可能な農業である。
持続的社会の構築のため設定されたSDGsの17の目標は、農業と密接に関係している。
貧困や飢餓をなくすための食糧確保、経済成長や産業と技術の革新、働きがいのある雇用確保の役割など、農業は人々の生活を支えるうえで重要なものであり、だからこそ持続可能
性を求められる。そのなかで、みなべの梅システムは、SDGs14「海の豊かさを守ろう」、15「陸の豊かさを守ろう」に非常に関連していると言える。梅をつくりながら山や海の生態
系を守り、また受粉のためにミツバチを利用していることなど、まさにSDGsの目標を達成している。その点で、もっと世界的に注目されるべき事例であり、参考にすべき農業だと思
う。また、みなべ町の梅農家や炭焼きの方々からは、みなべの梅システムへの情熱や誇りをすごく感じることができた。誰よりもシステムの素晴らしさを知り、誰よりも維持の大変
さを知るからこそ、このシステムを伝えたい、守りたいと活動されているのではないかと思った。このことはSDGs8「働きがいも経済成長も」にも関連するのではないだろうか。
SDGSについて参照 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/index.html(外務省ホームページ)