天狗山から見る戸倉。

正面には冠着山。その麓には旧戸倉町と旧上山田町。

真ん中を千曲川が流れている。

中学校とか、友達の家とか、よく行くコンビニエンスストアとか。
住み慣れたまちを一望できるから、なんとなく何度も来てしまう。

 

しなの鉄道戸倉駅の裏、山の中腹に広がる公園、戸倉宿キティパーク。
高さ8mにもおよぶ天狗像が、まちを見守るように立っている。
公園内には桜の木が植えられていて、春には巨大な天狗が桜色に埋もれてしまう。

小さな頃からここを「天狗山」と呼んで、よく遊びに行った。

 

 

桜も散りはじめた4月の中旬。
汗だくになりながら坂を登る。
もっと薄着で来たらよかったと後悔しながら、天狗像を目指す。
花見をしにきたのか、世間話をしにきたのか。
お姉さん方が桜の下にシートを敷いてわいわい話をしている。
芝生に座って読書する女の人、遊具で遊ぶ親子連れ、うさぎを眺めるカップル。
桜の季節はいつもより賑わう。

公園内にはうさぎやヤギが飼育されている。
キティパークの「キティ」とは、小動物のことを意味しているのだそう。
そいつらはそいつらでかわいくて、行くたびにヤギとにらめっこするのだけれど、
とは言っても、この公園のメインはウサギやヤギではないと思う。
本当に綺麗だけど、桜でもない。

まちを一望できる場所に、天狗が立っているここは、やっぱり天狗山と呼びたい。