LocalWikiの発祥と経緯

 

学生さんが「街の役に立つものを作りたいと思った」

カリフォルニア大学デービス校 の数学科の学生が、どうせなら街の役にたつものをつくりたいと、住民が自ら情報をのせられるサイトをつくる。フィリップマイケルとアラン。誰もがお互いの記事を書き換え、記事はだれも が転用できるライセンスにした。最初はオタクしかつかわない。街のこと、お店のこと、歴史のこと、自然のこと、詳しい人に説明して書いてもらう人的努力を 続ける。LocalWiki.orgをたちあげる。オープンデータの地図、誰もが描き換えることのできるhttp://www.openstreetmap.orgと出会い、LocalWikiに取り込む。

 

 

日本でのスタートは高校生から「島人だから、島も人も好きだから」

国土交通省の事業で、伊豆大島観光協会が高校生記者を採用。彼らの活動の場として、当時は有料のサーバにオープソースを利用して伊豆大島ジオパーク・データミュージアムをたち上げた。(2012.9.24)


高校生の記事が札幌の大通高校を動かす。その後、藤沢市民の要望で試し運用のサーバが提供されたため、名取や札幌の記事群も出来上がる。ナイト財団が支援を始め、日本語化も含めて無料のサーバが提供される。(2014.8.19)


日本の第一号は田辺市。次に室蘭市が開設。札幌、名取などはシステムで移植。 ナイトが支援をする理由は「真の民主制度を実現するジャーナリズムとアートを応援する」財団の本旨から。 無料のサーバで全国各地でリージョンがたちはじめる。LocalWiki Organization Japan が立ち上がる。(2014.11.20)

現在活動的なリージョンは、札幌、室蘭、船橋北広島橋本富里など

 

 

室蘭で始めたのは一人の市民

櫻井孝(49)さんは、室蘭市内の会社経営者。コンピュータのネットワーク構築や仕事のオペレーションを構築してお客様に喜んでいただく仕事をしてる優しいおじさんです。

「LocalWikiってね、その街に住んでいる人が自分の街のことを、地図付きで発信できるサーバがあるんです。これちょっと面白くて、誰でもどの記事 でも書き足したり、書き換えたりできるから、最後は嘘とかなくなっちゃうし、改ざんされても履歴が残るから、悪意は消えてしまうんです。行政の方や組織を 代表するのではなく、個人が始めて、そのネットワークで動くのがいいと思います。サーバの運営費用を提供しているのはアメリカのナイト財団で、この財団は 真の民主制度を実現するためのジャーナリズムとアートを応援するという立場。開発者はカリフォルニア大学の当時デービス校の学生で、デービスでは今、市民 の7人に1人が記事を書いているんですって。これは、街をよくしたいと思う人がその思いを声にして、より自信を深めてゆく道具だと思うんですよ」 という話を聞いて二つ返事で、「やる」と。


その場で、LocalWikiの室蘭リージョンを立ち上げ、コミュニケーション用のFacebookGroupを立ち上げます。室蘭wikiの 誕生です。スタートは2014.8.28 でした。そして、親しい友人、仕事仲間、同級生など、分け隔てなくというか、興味のありそうな重要な人々誘って誘います。「何をやるんだかまったく分から なかったけど、櫻井がいうなら」という彼の信頼が人々の信頼になり、蓋を開けると書き手が生まれていました。

 

お世話役が諦めないで楽しむこと

櫻井さんは寛容でどんな人が入ってきても受け入れます。受け入れられないメンバーがいるときは双方の話を聞いて、混在を調整します。そして、人をないがしろにするなど、ダメなものはだめと。

彼本人はそんなにたくさんの記事を書きません。どちらかというと、書く人のお世話。コンピュータの使い方、ソフトウエアの使い方、スマートフォンでの操作 を教えたり、援助したり。書きやすい雰囲気づくり、書きたくなるような環境づくりを大切にされているようです。だから、40代から50代中心でも書き手が ふえていったのですね。

彼が時々書く記事は室蘭への愛にあふれています。櫻井さんの書いた記事の一つ、フェリー、嬉しいねには、市長を批判したり、大事にしたり、身近に感じている室蘭市民の気持ちがよく出ています。櫻井さんはLocalWikiの説明を初めて聞いたときLocalWikiが民主制度そのものを表現できる、「市民が自らの意思で自分たちの町の価値を上げる活動である」と感じたそうです。編集者たちは彼の開設したFacebookGroupで日々コミュニケーションをとっています。

初めてメンバーが顔を合わせた最初のイベントが2014.10.24の第一回編集会議です。

https://www.facebook.com/groups/muroranwiki/permalink/699040236874366/

この場で「室蘭には何もない。不景気の街、自分は何もできないといっていた人が、眺めのいいところがある。いい文学がある。綺麗な海がある。写真なら持っ てる。美味しい食べ物があると目の輝きが変わる瞬間をみた」と札幌から同行した参加者の一人が言いました。「その土地をこころから尊敬する余所者が真剣に 褒めたら、市民の地元愛に火をつける」とも。

なぜLocalWikiをつかうのか。(田辺市のマッピングパーティで解説)
 

 

最初の編集会議の場であがった記事は

カッコイイ!
https://www.facebook.com/groups/muroranwiki/permalink/699040236874366/

のちに、港の仕事を象徴するコンテンツとなります。後から参加した編集者が次々にタグボートの写真を足してゆきます。
最初に食べ物と絶景が集まりました。

  1. 食べて良かった
  2. 眺めのいいところ

この二つが初期のコンテンツ群で、結果観光コンテンツにも反映します。

2014、リージョン開設から5ヶ月のクリスマスのころのフロントページ
https://ja.localwiki.org/mr/Front_Page/_history/31

 

MikioSugiyama