輪西神社「大国主神」 について知っていることをぜひ教えてください

お詣りしてても何も知らず

幼い記憶。まだ狭い歩幅だったからなのか、永遠に途切れないのではないかと思われるほど、長く連なっていた華やかな夜店。賑わっている人波の中、迷子を心配してだろう、強く握られた手の感触。夏祭り。神社といえば私の中ではやはりここなのだ。でも、不謹慎だなと思いつつも、新しい年を迎えて2日目の午前中にひとりでお詣りするというのがここ数十年の決まり事となっている。

鳥居をくぐると、空気の質感が変わる。鳥居とは、神域と人間などが住む領域とを分けている境界線の役割であるそうだ。お詣りはするけれど、「輪西神社」の事を私はよく知らない。

本殿から独立されている社務所の引き戸を開けて、「輪西神社の事が知りたいのですが」と少しばかり勇気を出して尋ねてみた。対応してくださった権宮司さんは、「由緒記が1枚あるのでお持ちしますね」と快く本殿まで取りに行ってくださいました。

 

輪西神社 御祭神並びに由緒記

御祭神

主祭神である大国主神は、国土守護、国土経営、農耕、縁結び、夫婦和合、武徳、医薬、邪鬼催状の神として日本各地で奉斎されている。配祀神は九柱御祭されている。(要約させて頂くと、火を守り、住居地や作物を作り出す大地を守る。金属・加工鍛冶、鉱山などを守り、欠かせない水をたゆむことなく私たちに提供してくださる。仕事に使う、器具、器物、機械を考え作り出す力を与え、より良いものに替えていく頭脳を守る。)

由緒

大正8年12月 北海道製鉄株式会社(現室蘭製鉄所)と株式会社日本製鋼所が合併し、輪西工場と称した時代、輪西工場の守護神社として、昭和4年7月現在の地に御社殿を建立、同年9月22日御祭神を遷座、翌23日第1回大祭を執行する。(上記由緒記より抜粋)

弔魂碑

昭和6年10月 輪西製鉄株式会社が設立されたのを期して、昭和7年6月 輪西神社境内に弔魂碑を建立、大正8年以来の輪西工場関係者殉職者の御霊を祀る。昭和45年7月より 室蘭製鉄所協力会社の殉職者も弔魂碑に合祀されている。

鉄鋼を中心とした街である室蘭。火による災害を始め、自然災害にも見舞われることなく(澄んだ空気と水に不自由することなく)豊かな産物に恵まれるように。ものづくりが多くの人の手により安全に進化し続けるように。全てのものは人、そしてそれらの縁により成り立っている。縁結びの神もまた、人々を繋いでくださっている。木々に結ばれたおみくじが、柔らかい陽射しを受けていた。

 

「2017/1/2 菅原由美」

 

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