鐡のまちフェスタ について知っていることをぜひ教えてください

輪西公園で踏鞴(たたら)製鐡

鐡のまちフェスタ2015

早々とノロ(不純物)を炉底から出す熟練工初任地の室蘭が大好きと福田さん「解っているのよ。父が日鐡で働いていたころは、もうこんな方法じゃないのは。でもね、赤いノロがでてきたら、血がさわぐの。私の父、鐡を作っていたんだわって。だから、若い人たちがこういうお祭りを開いてくださって、本当に嬉しいの。玉鋼が出来る最後まで見たいわ」と語りかけてきてくださった年配の女性は、 目頭を押さえながら笑顔でした。

今、鐡の関係者でも工場の電気的な制御や製品の流通などに従事する方が多いそうです。自動化が進み、鐡そのものの技術者の減った製鐡所の若者が、伝統の踏鞴製鐡を学ぶ姿を目を細めてみている輪西の人々。

 

客船の来航に合わせてもてなしのイベントとする

英語の地図を広げて「次に行きたいところは?」

去る、2015.9.12「鐵のまちフェスタ」が開催されました。今年の日程は、新しく美しい世界最大級の客船、マリナー・オブ・ザ・シーズ(約13.8万t)が崎守埠頭に着岸する日程に合わせたといいます。(輪西商店街振興組合事務局長大坪さん談)

室蘭に住む家族連れが輪西の街の6会場を歩いて「鐡」にまつわる体験を楽しんでしているのに加え、アジアをめぐり、国内も舞鶴や横浜などに寄港する乗船客たちが、1日千円で乗り放題のバスにのり、輪西にもやってきました。そこに、室蘭市の観光行政をバックアップする緑のジャンパーのボランティア通訳の方々が何人も待機しています。本当に楽しそうにおもてなしを展開していました。「だって、せっかく英語勉強してるんだから、話したいもの」と満面の笑顔。市内はもとより、伊達や江別からやって来たお姉さんたちがとても頼もしく輝いていました。

スコットランドのお嬢さん、ハンマーが重いという

輪西公園で行われていた踏鞴製鐡の煙を観て、バスからとび降りた三人は、カナダ、スコットランドのお嬢さんと、オーストラリアの青年。中国で乗り込んで、船のなかで仲良くなったと言います。昔の鍛冶屋さんのように焼いた鐡を叩いて大喜び。通訳ボランティアの方々は、古来、日本刀を作るために、砂鐡と木炭、石灰などを熱して純度の高い鐡を得る方法を完璧に説明していました。外国の青年は「これが日本の伝統文化であること、そして、明治以来の近代製鐡を担った室蘭の印象が強く残った。楽しかった」と語ります。「勉強しておいてよかったわ」「伝わって嬉しいわ」と通訳の方々。


加、英、豪の若者と、一緒に踊る鍛冶職人

 

取材していた道内大手の新聞記者さんもいつの間にか必死の英語で「室蘭は日本で三番目にできた伝統ある近代製鐡の街なんだ」と一所懸命説明する姿がありました。


 

主催は、「鉄のまちフェスタ(旧アイアンフェスタ)2015実行委員会」(日浅健委員長)。NPO法人テツプロを中核に、輪西界隈の輪西商店街振興組合や新日鐡住金独身寮の若者達、たたら製鉄関連の活動家など鐡に関連する関係者などが構成しています。アイアンフェスタは2004年テツプロが始めてコツコツと10年。この記事の中で、テツを全て鐡と表記させていただいたのは、金を失うと書いては、商売に良くないとする輪西の商人たちに心意気に敬意を表したものです。
 

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NPO法人テツプロ

室蘭民報のニュース「きょう室蘭で「鐵のまちフェスタ」体験メニューも企画」