医療体制が改善し、人々が長生きするのにともない多くの不快な非感染症の病気に直面することとなった。このような病気の根本的原因は、加齢と不健康なライフスタイルにある。こうした病気は世界的に増加しており、患者と科学者にとって、大きな課題となっている。

がん

がんは実際には一つの病気ではない。がんはそれぞれ異なり、一つひとつの発生率は時間とともに変化する。そのため、さまざまな種類のがん細胞があり、それぞれが異なる遺伝子変異を含んでいる。

がんは、細胞が新しい突然変異を起こし、無制御のまま分裂と成長を始めたものであり、選択的優位性を備えているため蔓延る。がんは身体の資源を独占し、周りの変異していない細胞よりも早く成長し、身体からの「中止命令」を無視する。

がん治療法

がん治療の最も有望なアプローチのいくつかは、生命の理解向上によってもたらされた。免疫療法は、身体の免疫系にがん細胞を認識させて攻撃をうながす。その際、免疫系は近隣の健康な細胞は無視しつつがん細胞だけを攻撃する。

酵母の細胞周期についての研究からも、新しい治療法が生まれている。現在、人間のCDK細胞周期抑制タンパク質に結合し、不活性化する薬が、乳がんの女性の治療に使われている。

がんは細胞が適応して進化する能力の結果のため、完全に撲滅は出来ないだろう。だが、生命への理解が深まるにつれ、早期にがんを発見し、効率的に治療できるようになってきている。がんや他の非感染症性疾患を退治する取り組みを加速させるなら、遺伝子情報を解読することが重要になる。

ゲノム

また心臓病、がん、アレツハイマー病などの一般的な病気や疾患は多くの要因によって引き起こされる。こうした病気は、沢山の遺伝子の影響が複合的に組み合わさって起こる。複雑で予測が難しい方法で、遺伝子が、他の遺伝子や、生きている環境と相互作用して病気が進行する。

有益な知見も生まれ、今では遺伝子解析を用いて心臓疾患に罹ったり、肥満になったりする危険が高い人を特定する事が可能。良い進展であり、ゲノムから正確に未来を予測する能力が上がるにつれ、この知識をどのように活用するのが最善か考える必要がある。