イタンキ浜の地名由来 について知っていることをぜひ教えてください
室蘭の登別寄りの太平洋海岸にある砂浜は、イタンキ浜と呼ばれている。1年中サーファーが集う浜として、また、美しい鳴り砂の浜として知られている。
イタンキ浜から南西に伸びる海岸の白い岩脈は、火山岩の流紋岩でできている。流紋岩は比較的もろい岩である。
だからこそ、波や風、そして雨などによって侵食され崩れ落ちて鳴り砂になり、また変化に富んだ美しい地形の源になっている。
「イタンキ」という発音をはじめて聞いたとき、アイヌ語由来の地名だろうなということは感じた。イタンキ浜とそこからつながる海岸と丘陵が好きで、いつも「イタンキ、イタンキ」と好意を込めて呼んでいたのに、実は「イタンキ」とはどういう意味を表しているのか知らずにいた。
たとえば、「水元町」ならば、読んで字のごとく水の源という意味である。実際に水元町ではあちこちから湧き水が溢れでて、室蘭岳を水源にもつ鷲別川に流れ込んでいる。だから、「水元」なのだ。
「イタンキ」とは、アイヌ語で「お椀」のことである。そのことを、民族資料館(とんてん館)の写真資料で知ったのは、この(2015)春のことだった。
以下、民俗資料館(とんてん館)の写真資料から引用する。
「巻貝の一種ツメタガイの産卵は、卵と砂を粘液で固め、茶碗をひっくり返したような形の卵塊を作ります。 ...その形から「スナヂャワン」と呼ばれています。...
...「イタンキ」(椀)の地名由来については、このスナヂャワンをアイヌの人々が「ヲタ・イタンキ」(砂・椀)と呼んでいたからという説や、...」
砂でできたお椀が由来という説である。他所から借りて来たり、飾り立てたりせず、そこにある地形や特長のある生き物の名前を地名とする、アイヌの人々らしいやり方だ。
この資料によると、他にも地名由来の説があるらしい。この他にどんな由来説があるのか知りたい気もする。
(2015.9.11 Yasushi Honda)