イタンキ浜の崖の地質 について知っていることをぜひ教えてください

 イタンキ浜の崖は海底火山の産物で昭和29年の地下資源調査所の研究によると「室蘭層」と名づけられている。イタンキ浜でよく見る白っぽい岩は軽石の集合体で酸性の海底火山活動にともなう火山灰や火山礫、軽石が固まったもので、近くで見るとほとんど軽石だ。海底にたまったので層のようなすじがたくさん見える。その上の黒っぽいのは海底にふきだした溶岩が水で急に冷やされて破砕された安山岩質のハイアロクラスタイトだろうと思う。

 室蘭層は地質時代で言うと近年まで鮮新世の地層といわれていたが、母恋富士などの火山岩がこれらの凝灰岩に後から貫入したとされ、母恋富士で計測された絶対年代が700万年以上経過しているのでそれより古いかほぼ同じ時代と考えられ、この絶対年代からすると中新世という時代の地層ということになる。

 さて、黒と白の境目付近をそう双眼鏡で見てみたら白い凝灰岩がブロック状に細切れになって黒い火山岩のなかに混ざっている。これはもしかしたら海底にふきだした溶岩が破砕されながら海底を動いているうちにすぐ下にある凝灰岩をも巻き込んで取り込んだのだと推定している。

 時間があったら斜面を登って白と黒の境目の付近を見てみようと思う。当時の海底火山の活動の迫力が感じられるかもしれない。