メンデル以前に厳密で大規模な定量的アプローチをとったブリーダーはいなかった。

 

メンデルが行った実験

・サンプル:膨大なデータが必要であることを理解していたメンデルは、1万以上のエンドウ豆を使用した実験を行っていた。

・方法:入念に交配の計画を行い、明確な違いを示す特徴に注目した。

・観測したこと:独特な特徴を示すものと示さないものの「比率」を観測し,数字で示した。

・メンデルの結論:エンドウ豆の花の中にある雄の花粉と雌の胚珠には親植物の様々な特徴にかかわる「エレメント(要素)」を含んでおり、このエレメントが受粉により一緒になることで次の世代の植物に影響を与える。しかし、エレメントの正体や働きは解明できなかった。

一方そのころ…

高名な生物学者チャールズ・ダーウィンもキンギョソウという別の植物で似たような実験を行っていた。彼もメンデルが発見した比率と似た比率を観測したが、彼はその比率の意味を解明しようとはしなかった。また、当時の学者たちにメンデルの提唱を真に受ける者はいなかった。

1900年代

他の研究者たちがメンデルと同様の研究結果を再現し始めたことで、遺伝子がどのように機能するのかという予測を始めた。これによりこの遺伝子の説に先駆者であるメンデルの名が付き「メンデル説」と名付けられ、また遺伝学の誕生へと発展した。

メンデル説

メンデル説とは上記した通りメンデルがの実験結果に基づいたものであり、親から子への遺伝的特徴は一対の物理的な粒子の存在に決まるという説である。この説の一対の物理的な粒子をメンデルは当時「エレメント」と言っていたが、この「エレメント」こそが現代における「遺伝子」を指すものである。

メンデルの功績

メンデルは「エレメント」である粒子の正体こそ突き止めることはできなかったものの、それが受け継がれる仕組みについては明らかにすることに成功し、明確に説明している。

一番重要なことは…

メンデルが導き出した結論がエンドウ豆だけではなく、すべての有性植物に当てはまることが明らかになったことである。