身体の構造は非常に緻密に作られており、他の身体の部位との比率で作られる。細胞でさえも、骨を作っているキューブ型の細胞、枝分かれしながら体中のすべての部位に達しているニューロンなど、緻密な構造になる。そして、こうした細胞は、細胞が変化するにつれてその位置を調節する。

 こうした構造を組み立てるのに必要な情報は、タンパク質とRNAというリボソームに組み込まれ、最終的に遺伝子がもつ情報によって正確に指定される。

 もっと大きな規模の器官、生命体全体の構造は、化学的な勾配によって生まれる。水が入ったボウルにインクを一滴たらすと、濃度勾配が生まれる。この濃度勾配を情報源として利用すると、濃度が高いところは、インクがたらされた場所に近いことがわかる。

 インクを細胞の性質を変えるタンパク質、ボウルを同一の細胞でできたボウル()に置き換える。すると、濃度勾配の情報から、濃度の高いところは頭部の構築をする。といったように、単純なタンパク質の勾配が、複雑なの構築に必要な情報を提供することができる。