初秋の晴れた日、また腰に水筒を下げて、冒険のつづきへ・・
いつも浜辺からイタンキを楽しんできて、ほかのメンバーたちが ”トレラン” などと
丘を楽しんでいるようなので、自分も笹薮に分け入ってみた。
メンバーが楽しんで写し出していた景色がそこにはあった。
みんなと同じ感動に浸る。言われていた幸福感がいっぱい。
いままで遠くから眺めていた景色が足元にあり、もっと違った姿を見せてくれていた。
そんな中、自分の琴線に触れるものがあった。
眼下に広がる輪西地区と その向こうにある巨大な工場たち。
これまで子供の頃から同じ風景を眺めていたはずなのに、
今日はちがっていた。
いままでは潮見公園からの景色が一番高い視覚であった。
ここはそれを超えて輪西地区が両手の中に入ったような、他の地区に目を奪われたことのない
自分が生まれ育った、輪西地区しか知らなかった頃の記憶を呼び起こしてくれた。
そう、この見える景色が幼い頃の世界すべてだった。
ふと我に返るとすでに4本煙突は無く、黒い煙を吐く工場ではなくなっていて、
遠くには "通船” で渡っていた室蘭港をまたぐ大橋が架かっていて、
自分の頭にもすっかり白いものが増えてしまっている。
影だけは歳をとらないようだけれど。。
この街の景色をみて、やっと自分が室蘭市民なんだ。と実感させられた。
この景色は終生忘れることはないだろう。。
そして変わって欲しくないと思う。
足に張りを覚えながら、でも天気のように爽快な気分で今回の冒険を下りた。。
<文・写真:倉地清美、編集:高山幸子>
2015.9.7
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