南部陣屋跡は、陣屋町にある江戸時代末期の陣屋跡です。
正式な名前は「史跡 東蝦夷地南部藩陣屋跡モロラン陣屋跡」だそうです。崎守神社の境内にあるポロシレト台場跡・勤番所も南部藩が作ったものでした。


歴史

この陣屋は安政3年(1856年)に築かれ、慶応4年(1868年/明治元年)に廃棄されるまでの13年間、南部藩士が常駐していたそうです。

史跡説明板


構造

土塁式の方形陣屋で、二重の土塁と濠に囲まれた内陣には藩士の詰め所や長屋などの建物があったとされ、現在は平面復元されています。

濠は正面のみ水堀、側面や背面は空堀となっています。

南西の角。手前は水堀、正面から奥にかけては空堀が続く。内陣北側の空堀。周囲は杉林になっている。

 


お堀に咲く睡蓮の花

南部陣屋跡のお堀には、春から初夏にかけてたくさんの睡蓮の花が咲きます。室蘭市内でこれだけの睡蓮が咲く場所は他に心当たりがありません。
なのに訪れる人も少ない。実はここってすごい穴場なのかもしれませんね。

 


杉林

南部陣屋周辺には見事な杉林が広がっています。もともと北海道に杉は自生しませんので、ここの杉はかつて南部藩の藩士たちが持ち込み植林し育てたものなのでしょうね。

陣屋跡へ続く道沿いには、まっすぐに伸びる杉林が続く。


古くから天然の良港であり、交通の要衝であり、だからこそプロヴィデンス号を始め多くの外国船が訪れた室蘭だからこそ、このような陣屋が必要だったのでしょうね。

[2015/02/26 山田 正樹]

 

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