大人のローカルウィキパーティーin水族館 について知っていることをぜひ教えてください

 

(社)室蘭観光協会のお取り計らいにより、開館期間前の4/19(日)に市立室蘭水族館の取材をさせていただけることになりました。
「大人のローカルウィキパーティー」も室蘭青少年科学館港の文学館室蘭市民俗資料館(とんてん館)に続き4回目の今回は、9:30に水族館前に集合し、大人8名の参加となりました。
お馴染みの正門ワクワクしながら入場を待つ一行


いざ入場!

入場は裏側からということになり、そちらに回ります。
「昔はこっちが正門だったんだよねぇ」と、早速記憶が蘇ります。
こちら側から入場するなんて、何十年ぶりでしょうか。
誰もいない開館前の館内に入場!
天候にも恵まれました

 

開館準備中でお忙しいであろう中、魚類飼育員の高山さんにご案内いただけることになりました。
笑顔がステキな高山さん

 

開館中とは異なる裏側から入場した場合、最初に引っ掛かるのは水族館を訪れたときのお楽しみの一つ、つぶやき!
ですが、当然まだ営業していませんので、これは開館後のお楽しみということで…。
店内ではお店の方が営業準備中

 

では早速本館に…の前に、外に設置されているものが気になります。

まずは記念碑。
なんとプロヴィデンス号来航記念碑
こんなのがあったんですねぇ…。
歴史好きの方ならもっと食い付くことでしょう。
これまで目に入ってませんでした…拡大して解説をご覧ください

文字起こし
1794年から前後3年間にわたりアジア沿岸および日本列島の北部を探検のため来航した英国プロヴィデンス号がわが寛政8年8月(太陽暦1796年9月)内浦湾内に入って良港室蘭の存在を知りその報告文献によって広くヨーロッパ諸国に紹介されたことを記念するためにこの碑を建てる
昭和30年9月
室蘭ロータリークラブ

そして次に捕鯨砲と銛
鯨を捕るときに使われる銛の発射装置です。
捕鯨「銃」ではなく捕鯨「砲」。
火薬が仕込まれていて、「兵器だよなぁ…」などと感心。
相手が鯨だけにでっかい!説明書き


今度こそ本館に入館。まずは1階。

1階は主に海水魚の展示です。

まず目に入ってくるのは、2階への階段脇にある半円柱型水槽。
25トンの容量がある大型の水槽です。
高級なカレイ「マツカワ」が沢山泳いでいて、一同「美味しそう~!」。
大人ってヤツは…。
高級魚がいっぱい!意外とアクティブ

高山さんにご説明いただきながら、1階の水槽を見学します。

ズワイガニ」軍団。
やっぱり「美味しそう~!」。
同じズワイガニでも、水槽の中の軍団は「オオズワイガニ」で、口の部分がM字型です。
「本ズワイガニ」口が丸型だそうです。
M字型の「オオズワイガニ」丸型の「本ズワイガニ」かぶりつき!

続いては「タラバガニ」。
当然一同は「美味(略)」。
水族館にいるのは「タラバガニ」だけですが、よく似た「アブラガニ」との見分け方は甲羅のトゲの数が6本が「タラバガニ」、4本が「アブラガニ」だそうです。

ここのトゲ

 

次は「マアナゴ」。
美味しい魚介類が続きますが、いつもと違う生きたままの姿で見られるというのもいいですね。
噴火湾では夏でも冬でも捕れるそうですが、虻田や有珠で捕れるアナゴは、札幌にあるミシュランで星が付いているお店も買い付けに来ていて、高値で取引されているそうです。
ニョロニョロの方です

 

今や高級魚の「ホッケ」。
改めて見ると、意外とカワイイですね。

 

右側の赤く見える水槽は、言わば「ICU水槽」。
傷付いた「アブラボウズ」と「マダラ」が、ストレスが掛からないように照明を調整し、クスリも与えられた水槽で治療を受けています。
1月に水族館に来たときには網による傷があって口も閉じられない状態でしたが、治療のおかげで餌が食べられるくらいまで回復してきたそうです。

アブラボウズは室蘭水族館のシンボル的な魚なので、元気になって欲しいですね。
ちなみに、大きいものだと1.5mくらいまで育つそうです。

ミズダコ」の「勝子さん」。
昨年、サッカーワールドカップの勝者をことごとく予想的中させて話題になりましたね。

スケトウダラ」は去年まで左奥のメイン水槽に陣取っていましたが、今年はその場所をクラゲに奪われるそうです。

ちょっとグロテスクな「フサギンポ」。
でもよく見るとカワイイです。
ギンポ好きなヒロシさん曰わく、「ガラモンみたい」。
確かに!

「ギンポ」は投げ釣りで良く掛かるものの、リリースされてしまうことが多い魚。
でも、実は食べると美味しいそうです。

ここで釣りが好きなタツヤさんが「ギンポって蒲鉾にする魚?」と質問。
高山さん「蒲鉾にするのはワラズカですね。」
タツヤさんは釣れた「ワラズカ」を煮付けて食べたそうですが、卵が入っていたので食べようかと思ったそう。
水族館に来たときに説明を見て卵に毒があることを知り、焦ったそう。
「食べるとお腹を壊す」と高山さん。
「ワラズカのすり身は一級品。スケソウだけだと固い。」とトシオさん。
勉強になるなぁ。

ボンヤリしていると見落としてしまいますが、1階の天井には室蘭高等技術専門学校の生徒さんが製作した、「ミンククジラ」「ベルーガ」「カマイルカ」の等身大オブジェが飾られています。
こちらもお見逃し無く!
ミンククジラベルーガ(シロクジラ)カマイルカ説明書き

今シーズンはクラゲの展示にも力を入れるそうですので、お好きな方は癒されにいらしてはいかがでしょうか。

1階を一周して半円柱型水槽に戻って来ました。
開館期間中はお客さんの入りを見ながら、餌やりを実施しているとのこと。
餌となるカタクチイワシを投入すると、魚たちの動きがにわかに活発になります。
そして降ってきたイワシをパックリ!
小魚を咥えたまま泳ぐ魚は、なかなかの衝撃映像です。

今回はご厚意により餌やりを体験させていただけることに。
でも貪欲な大人たちは餌を撒くのではなく、手から直接与えたいのです。

「釣れた釣れた!」「指を食べられるかと思った~!」と大はしゃぎの餌やり体験なのでした。

カレイやヒラメは、卵から孵ったばかりの仔魚(しぎょ)の頃はホッケなどと同じ格好ですが、成長するにつれて目の位置が移動して行き、稚魚になる頃には成魚同様着底生活になります。
このような生態は餌が海底にあるためと考えられるそうです。

ここにいる魚たちは、冬の間に職員の方が釣るそうです。
網で捕獲すると傷付いて次の日には死んでしまうため、釣ってすぐに酸素の入った水槽に入れて連れて帰るとのこと。
捕れない魚については日本中の水族館同士で交換するそうです。
こういう交流によって、北にいても寒流だけでなく暖流に棲む魚を見ることができるのですね。
ところが、先日広島空港で発生した飛行機事故の影響で、来る予定だった暖流の魚、伊勢エビ、セミエビの到着が遅れ、展示が開館後になってしまうそうです。
思いもよらないところに影響があるものですね。

水槽はまだ手直し中のものもあり、魚が入っている水槽の位置も暫定だったりするようです。

水族館を代表する魚の一つ「デンキウナギ」は、以前は2階に展示されていましたが、今は1階の入口付近に展示されています。
放電状態の表示板激写!したいが光の反射で上手く撮れず…


その隣には個人的に大好きな「ドクターフィッシュ」が。
水槽の中に手を入れると、角質を食べてくれます。
今回はまだ体験できず、残念。

魚の数はまだ少ないですが、サンピアザ水族館(新札幌)との魚類交換で入ってくるので、開館時に数は増えているそうです。

壁に室蘭水族館の歴史についての記述を発見!

高山さんのご説明でも、壁などは貼り替えているものの、躯体は開館当時から変わっていないとのこと。
この説明は壁にさりげなく書かれていましたが、歴史ある水族館であるということをもっと目立つ様に謳っても良いのではないかと思いました。


では、2階へ移動。

2階は熱帯系の魚とクジラの資料コーナー。

熱帯魚コーナーは馴染みが少ない魚(美味しそうな魚でない?)のためか、一行の食い付きは今ひとつ…。
開館準備中のためまだ魚の解説がありませんでしたので、これが付くと興味の湧き方はまた違うでしょう。
人が近づくと餌が貰えるかと思い、大騒ぎ!

クジラの資料コーナーで一行はまた興味津々。

骨格標本

捕獲されたシロナガスクジラの写真。
この写真は祝津町の古い家を解体しているときに出てきたものを水族館に寄付してもらったもの。


再び外へ。

室蘭水族館のシンボル
「アブラボウズ」のオブジェ
これも室蘭高等技術専門学校の生徒さんが製作

正門の近くにはペンギンプールアザラシプールがあります。
室蘭水族館が出来る前にはこの場所には鯨の解体場があり、鯨を捌くための場所だった所をペンギン・アザラシプールに利用しているそうです。

水族館で使用する海水は海から引っ張ってきていますが、そのままではなくろ過して使用しています。
ろ過した海水を直接使用すると処理が間に合わないため、ろ過した海水を一旦ポンプで水族館裏の高台のタンクに汲み上げて溜めておいたものを使用しているそうです。

斜面に設置されているのが汲み上げ・下ろしのためのパイプ

ペンギンプール
ペンギンたちは家の中にいたため、残念ながら姿は見られませんでした。
開館後のお楽しみですね。
4/12(日)にはモルエ中島で移動水族館「フンボルトペンギン行進ショー」が行われました。
この時には7羽のペンギンたちをケージに入れ、車に積んで連れて行ったそうです。

アザラシプール
現在繁殖期のため、オス・メスが別々のプールに入れられていますが、男子は女子のプールにがっつりかぶりつき!
妙に人間っぽいですね。
手前が女子、奥が男子男子かぶりつきぐでー

今シーズン、アザラシプールが大きく変わるのは、水中が見えるアクリル窓が作られることです。
アザラシ、ペンギンプールがリニューアルします!(市立室蘭水族館 日記)

右上が窓まだ保護シートが貼られています分厚いアクリル板(30~40mm?)

取材の次の日が除幕式だそうなので、残念ながら水中のアザラシの姿は見られませんでしたが、保護シート付の状態が見られたというのはある意味貴重な体験です。
この窓は外の道路から非常に近い位置にありそのままだと道路から丸見えなので、柵に目隠し板を付けたそうです。
白い板が目隠し板
アザラシ・ペンギンプールリニューアル工事完了!!(市立室蘭水族館 日記)


トドプー
次は豆汽車の線路の内側にある、トドプールを見学します。
今日はまだ豆汽車は走っていないので、通常は通れないスタッフ専用通路で線路を渡って中に入ります。
貴重な体験!

このプールにいるのはトドの「マリン」。
「トド」と字を書く芸で有名だったお父さんの「ラン」(2008年永眠)と、お母さん「サクラ」(2006年永眠)の娘さんです。
「マリン」は「ラン」の芸を受け継いだ、字を書くトドの二代目。
まだ修行中ですかね。
スィ~こんにちは!上陸!

芸を見せてくださいました。
バイバ~イ!シャチホコのポーズ!(勝手に命名)ご褒美の魚をキャッチ!

今、トドはメスのマリン一頭だけなのでオスも欲しいところですが、なかなか難しいとのこと…。
何とかいいお婿さんを迎えられるといいですね。

コイの池
まだ空っぽ

タッチプール
お子さんに人気のタッチプールも、大人にかかるとホタテやナマコがいる、美味しそうな生け簀になってしまうのでした…。
何がいるかな?ホタテ! ナマコ!

キャラクターたち
正門や敷地内の立体キャラクター以外にも、壁にいろいろなキャラクターが描かれています。
室蘭水族館のシンボル「アブラボウズ」室蘭市マスコットキャラクター
「くじらん」と仲間たち
豆汽車の車庫
(裏面撮り忘れ…)


取材を終えて

今回は多人数で見学したことで興味のポイントが様々で、自分だけではスルーしてしまうことにも興味を持つことが出来ましたし、釣りを趣味になさっている方からは消費者目線での魚についてのお話を伺うことができました。

また、職員の高山さんに付きっきりでガイトしていただいたお陰で、とても理解が深まりました。
お忙しい中、本当にありがとうございました。
通常は本来の業務がお忙しいと思いますので難しいでしょうが、人員を確保したりIT技術を利用することによりガイドを充実させれば、より魅力的な施設になるのではないかと感じました。

このようなことを考える機会を与えてくださった、室蘭水族館の皆さん、職員の高山さん、(社)室蘭観光協会の皆さん、窓口になってくださった「室蘭カレーラーメンの会」の毛利 達也さんに感謝致します。

高山さんには営業期間中の取材のお誘いもいただきましたので、是非とも実現したいです。

皆さん、どうもありがとうございました!


2015年は4/24(金)にオープンしました!

大人だけで行っても十分に楽しいので、是非行ってみてください!
「三人寄れば文殊の知恵」、多人数で行くのはお勧めですよ。

市立室蘭水族館に笑顔と歓声、今季の営業開始 (室蘭民報)

 

(写真提供 村田 ひろし戸子台 敏雄毛利 達也内城美樹浦野 美樹)
(文章、写真  荒瀬 宗之)

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