室蘭という地名は、アイヌ語の「モ・ルエラニ」、緩やかな坂を下ったところ、という意味から来ているということは、知っている人も多いと思います。
では、その「ゆるやかな坂」ってどこ? と聞かれると、意外に知らない方も多いのではないでしょうか。
その坂こそ、かつて「もともとの」「本来の」室蘭ということで「本室蘭」と呼ばれていた現在の室蘭市崎守町、仙海寺の前の坂だと言われています。
室蘭の海岸線はどこも、もともとは断崖絶壁と小さな入江、そしてひどくぬかるむ湿地帯が続く地形でしたから、海沿いに道を作ることができなかったのでしょう。
この坂道もかつて、黄金の方からここ室蘭に入る唯一の道だったようです。
この辺りは古くからアイヌの集落があり、松前藩の拠点として「モロラン場所」が置かれていた場所。対岸の絵鞆とならんで室蘭の始まりの地の一つと言えます。
現在は崎守埠頭の埋め立てにより海から遠い遠い内陸になってしまいましたが、かつては海に面した小さな入江だったことが伺えますね。
私達のまち・むろらんの始まった場所、一度は訪れてみたい場所です。
[2015/1/29 山田 正樹]
室蘭地名発祥の坂 について知っていることをぜひ教えてください
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