室蘭と言えば、道内屈指の風光明媚な土地であり、グルメにも恵まれた街ですが、
この街の発展の礎の一部と言っても過言ではない、工場の風景も特筆すべきことではないでしょうか。
すり鉢状の地形に、夜の灯りが煌めく感動を味わうバスツアーが、春から秋にかけて運行されています。
それがこの「室蘭夜景見学バス」です。
行程は次の通りとなっています(2014年運行時点)。
①東室蘭東口 1番バス乗り場 → (道南バス東町ターミナル前・室蘭劇場横・イタンキ入口から国道36号室蘭新道経由)
②室蘭観光協会前(旧室蘭駅舎・ここで乗車も可能) → (築地町室蘭信金横から道道699号室蘭港線に合流)
③道の駅みたら室蘭 (トイレ休憩等・日没のタイミングも見計らう) → (祝津町へ)
④祝津展望台 (日没とほぼ同じタイミングに到着し約15分滞在) → (国道37号白鳥大橋経由)
⑤陣屋除雪ステーション (このツアー以外での立入が出来ないスポット。約15分滞在) → (崎守町へ)
⑥崎守ビュースポット (約15分滞在。夜景スポットはここで終了) → (国道37号白鳥大橋・道道699号室蘭港線経由)
⑦室蘭観光協会前(旧室蘭駅舎・ここで下車も可能) → (国道36号室蘭新道・室蘭劇場横・道南バス東町ターミナル前経由)
⑧東室蘭東口 1番バス乗り場 (ここで全行程終了)
ツアーの模様をご紹介します。
バス乗り場は、東室蘭駅の東口1番乗り場です。
運行日は4~5月の大型連休と、6~10月の土日祝日(ただし運行日、運行時間は都度変動しますので、
後述のホームページをご参照頂くか、室蘭観光協会さんへお問い合わせ下さい)となっています。
バスの運行時期になると、上の写真のように、見学バス用の看板が設置されます。
バスの運行は道南バスが担当しています。
2014年は大型車両での運行で、私がツアーに参加した日は、運良くスーパーハイデッカー車が充当され、より高い視点から、車窓を楽しむことができました。
ツアーは約2時間半の行程で、料金はおとな1,000円、こども500円です。
バス乗車時、このツアーのチラシと観光案内パンフレット、そしてアンケートが渡されます。
道中は地元のことを熟知しているツアーガイドさん「むろらん観光ツアーガイド」(室蘭観光推進連絡会議による養成)により、夜景だけではなく、幅広い視点から、街のことを話してくれるので、これも楽しみのひとつであるといえましょう。
また、上の写真の通り、乗車券には、「記念乗車券」と記されており、紙質も切符のように固いので、「旅に出ている」という印象がさらに強くなるのではないかと思われます。
入鋏もしくは日付スタンプの押印があれば、個人的にはさらに感動が増すと思ったので、僭越ながらアンケートに書かせて頂きました。
東室蘭駅を出発したバスは、輪西・仲町の眺めを車窓に映した後、2か所目の乗降場所である旧室蘭駅舎に到着します。
太陽が傾くのを感じる時間帯。
この先に待つ「輝き」が、楽しみになってきます。
最初の目的地は、道の駅みたら室蘭です。
ここでトイレ休憩となりますが、室蘭港に沈みゆく夕陽を眺めることもできます。
バスが月によって運行時刻が変わるのは、夜景のためというのもありますが、ちょうど夕陽が綺麗に見える時間帯に、ここに到着するようにする、という説もあるようです。
それを裏付けるのが、次の写真です。
オレンジ色を際立たせる「青」の存在を感じませんか?
いわゆる「ブルー・モーメント」。
夕刻の終わりに、地上の光を際立たせる「青」を感じる時間帯に、絵鞆半島の先に位置するこの場所で、海と空をめいっぱい味わうことができるのです。
次にバスが向かうのは、祝津展望台です。
西日に山々が映る一方、だんだん暗くなる街の東側に、白鳥大橋が格別な存在感を放ちます。
運が良ければ、遠くに「蝦夷富士」と称される、羊蹄山の姿も確認することができます。
「ブルー・モーメント」は、終わりを迎えようとしています。
そしてバスは白鳥大橋を通過し、橋を渡りきったすぐのところにある「陣屋除雪ステーション」に到着します。
ここは、北海道開発局 室蘭開発建設部の管理区域で、普段立ち入ることができないのですが、このツアーのためだけに、特別に開放しています。
JX日鉱日石エネルギーのプラント群が、 「ブルー・モーメント」の終わりをきらびやかに彩ります。
このツアーの最後にバスが向かうのは、崎守ビュースポットです。
主に前掲のJX日鉱日石エネルギーの工場の光が水面に映るのですが、真横から白鳥大橋の全景を見ることもできます。
ここで二点注意。
①春先と秋口は、海からの風がダイレクトに身体に刺さるので、防寒対策を行いましょう。
②周りに照明がなく、足元も悪い場所がありますので十分注意しましょう。
崎守ビュースポットから、このように白鳥大橋の全景を確認することができますが、
運とカメラの性能いかんでは、白鳥大橋の橋脚から、天に向かって真っすぐに伸びる光も納めることができます。
この日は幸運に恵まれ、風のない日だったため、光が鏡のように水面に映り込んでいました。
各所各所での風景の余韻に浸りながら、闇にきらめく白鳥大橋を再度渡り、ツアーは全日程を終了します。
(以上、平成26年6月1日 ツアー参加により撮影)
いかがでしたでしょうか。
残念ながら写真がスマートフォンのものしか用意できませんでしたが、
実際にツアーに参加されると、ファインダー越しとはまた違う世界に飲み込まれること請け合いです。
運行の詳細やお問い合わせ等
○室蘭市ホームページ http://www.city.muroran.lg.jp/main/org6400/yakei-bus.html (2014年のものです)
○室蘭観光協会 室蘭夜景公式サイト http://muro-kanko.com/yakei/
○ツアーの予約は、当日の15時までに、室蘭観光協会(0143-23-0102)または
道南バス室蘭貸切センター(0143-81-2100)への電話により行います。
※電話以外による予約受付は行っていませんのでご注意ください。
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