東京の学生が「とり金」でやきとり初体験 について知っていることをぜひ教えてください
18時、東京の大学で学んでいる私たちは、室蘭でLocal Wikiを中心となって作っておられる皆様とお会いするために、「とり金」さんに向かった。
「いらっしゃい」ご主人と奥様に暖かく迎えられ、店に足を踏み入れる。
何とも言えない炭焼きの匂いが香ばしい。
テーブル席を抜けて座敷に入ると、綺麗にテーブルが3つ並べてあった。
「いつもは物が置いてあるところ、今日は人が沢山来るから、片づけてくれたんだね」
既に何度も足を運んでいる杉山さんが言う。
どうやら、私たちが来るということで、片づけてくださったとのことだ。感謝の気持ちが溢れてくる。
ちなみに杉山さんは「やきとり」を食べる際、ここのお店は外せないそうだ。
そして、タレや焼き方の違うやきとりの店を何件かはしごするらしい。
さて、適度な塩加減の白菜の漬物をいただいていると、Local Wikiでエディターをされている皆様が入ってこられる。
「ちょっと食べてきちゃったわよ~」「室蘭へようこそ!」
どんな方々とお会いするのか緊張していた私たちだったが、明るく話す彼ら・彼女らと時間を過ごすうちに、いつの間にかその場の空気に溶け込んでいた。
とり金さんのメニューをよくご存知のエディターさんに勧めていただいた、やきとりやおつまみをいただく。
はじめにいただいた「やきとり」は、香ばしく焼かれた豚肉と玉ねぎに、つぎ足しで使っている特製のたれで味がつけられたもの。
一口ほおばると、ジューシーな肉の旨みと玉ねぎの甘味、炭焼きの香ばしい香りが口いっぱいに広がる。
特製のたれは、粘り気が少ないタイプの醤油ベースだれである。
そう言えば、東京の新橋でいう豚の串焼きと言えば「やきとん」なのだが、室蘭では「やきとり」というのだから面白い。
何でも、製鉄所が全盛期の時代、この界隈の産業発展を支えてきたお父さんたちが勤務帰りに腹ごしらえをしていたのが、こういった「やきとり」などを出している店だったとか。
当時の光景を想像するだけでも感慨深い。
そんな「やきとり」だが、色々なバリエーションがあるようだ。
やわらかいゴボウの周りを豚バラで巻いた串、レバー串、豚肉ではないが、長葱の周りを油揚げで巻いた串もあり、これらもまた美味。
何本食べても全く飽きが来ず、地酒も進む。
特に焼きたては格別であり、ちょうどお皿が空になりそうなタイミングで奥様が運んでくださる山盛りの皿が、あっという間に空になる。
その心地よい空気と手作りの料理に、なんだか、昔から足を運んだことのある親戚の家にいる気がしてきたから不思議である。
その他、中からとろりとチーズが溢れてくるアツアツの春巻き、百年前から変わらぬ美味しさの豆富を作っておられる地元の「百年豆富店」の商品を使った冷奴と厚揚げなどをいただく。
地元の豆富店で作ったものを、また更に別のお店がメニューとして提供する。
そんな地域の暖かい関係も垣間見ることとなった。
次に輪西に来るときは、家族を連れてこの店に来たい。今度はカウンターで、ご主人や奥様とお話しながら、アツアツのやきとりに舌鼓を打ちたいと思う。
そんな店であった。