生きているって面白い について知っていることをぜひ教えてください

 

「みなさんは口で文字や絵を描いたことはありますか」

高校生の女の子が紹介してくれた本は運動神経が抜群だった作者が突然の事故に遭い、首から下が麻痺、手足が動かせなくなり人の手を借りなくては生きていくことができなくなってしまったノンフィクションの物語。絶望のどん底にいた作者が、母親や周りの人の優しさに支えられて生きる意欲を取り戻し「生きているって面白い」と思うようになる。唯一動かせる口に筆をくわえて文字を書き、絵までも描けるようになっていった。

彼女がこの本と出会ったのは、学校の授業でこの本の一部を抜粋したプリントが配られたことがきっかけだったそうで、授業の中では実際にペンを口にくわえて文字を書いてみようとしたが「とても難しくて、全く書くことができなかったんです」

「私は今まで、車椅子の人を見かけると”かわいそう”と思っていたけれどそうではなかったんです」作者が車椅子で外へ出ることが出来た時に幸せだと感じたことは彼女自身の考え方が変わったと言う。「お金がないから不幸とか、たくさんあるから幸せとは限らない」と思うようになったと。

 

彼女が本を開いて読んで聞かせてくれました。

”今もう一度振り返ってみると、深き淵には澄んだ美しい水が湧き出ていたような気がします”

 

『愛、深き淵より』著者:星野富弘

 

(2015.12.20 sachiko)