そのときが,すべてを忘れさせてくれる,いちばん幸福な時間.
頚髄損傷という大怪我のために,首から下がすべて麻痺してしまった星野富弘さんが,筆を口に咥えて,なにも描かれていない白い紙をまえに,目の前の花をどのように描こうかなと思いを巡らせる.その心情描写の紹介がとても心に残りました.
2015年12月19日に港の文学館で「本との出会い〜あなたの今年の一冊」という催しが開かれました.そのなかで紹介された「愛,深き淵よりー筆をくわえて綴った生命の記録」という星野さんの著書のなかの一節です.
この世の中に,いったいどれだけの本が存在するのでしょう?オンライン出版なども比較的容易に出来るようになってきたので,日本語で書かれた書籍だけでもとても見当がつきません.どんなにバラエティーに富んだ本があったとしても,どうしても自分の興味がある分野や仕事に関係の有りそうな本に,わたしは手が伸びてしまいます.
いろんな本を読んでいるようでいて,実は似たような内容の本ばかり読んでしまうことになります.
「本との出会い...」というこの催しには,星野さんの著書以外にも合計12人の紹介者が,12冊の本を紹介しました.まさにわたしの知らない世界(本)との出会いがあった,貴重な機会でした.
(2015.12.21 Yasushi Honda)
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