がちゃぽんは物静かに語る について知っていることをぜひ教えてください
幌別鉱山町の銀座通りの片隅に長年ぽつりと「がちゃぽん」が立っている。このがちゃぽんから色々なことが連想できる。このがちゃぽんを使っていた当時の村の風景、家族など。たとえば子供たちはここで水を汲んでくるように言われても嬉々として小さなバケツをひっさげて水を汲みに行っただろう。私の小学校時代にも自宅にがちゃぽんがあった。ポンプの中の弁をぬらしてアームを上下するといつしか大量に地下水が汲みあがる。自分で水をくみ上げることの感激はいまどきのおもちゃやゲーム以上に楽しかった。
しかしがちゃぽんが教えてくれるのは歴史や文学的な物語ばかりではない。私はこれを25年以上も前に幌別鉱山町の銀座通りで見た瞬間。「地下水がある」、地下水の帯水層の深さやお盆、地層の重なり方はどうなっている?などと考えてしまったのだ。
まずは帯水層はどの位置にあるかということを確認するために千葉さんの西隣の踏み分け道を川まで降りていくと・・。あったあった。地下水の構造の断面が。道の途中に湧き水があり、玉砂利が飛び出していた。昔からここで水を利用したらしく塩ビ管から水が流れているが、水は大量にあるのであふれている。銀座通りとの比高4mくらいでグリーンタフの岩盤になるようだ。この上に昔の川の玉砂利や砂利層、砂層がありその上に火山灰や黒土など腐植土があると推定できる。ここの水は季節の変化に左右されないある程度の量が流れている。ここの地下水を涵養している後背地である供給源は神社や岩の崎周辺の低い山地だが安定した水を供給する森が育っているのだろう。
ひとつのがちゃぽんがこのように色々なことを連想させてくれた。ありがとうがちゃぽん。
ちなみにこのがちゃぽんは昔、この場所に中畑木材さんの木工場があり、そこで使っていたらしい。中畑さんの一族で木村としこさんがその当時の娘さんでこのがちゃぽんを使っていたそうだ。