登別軟石

登別の溶結凝灰岩は登別軟石と呼ばれる。柔らかくて加工がしやすく、耐火性に優れているため、旧国鉄登別駅の外壁など、歴史的に公共建築や倉庫などに使われた石材としての名を持っている。登別漁港の東側で垂直に切り立つ断崖を岩肌に触りながら直接観察できる美しいスポットがある。アイヌがアフンルパロと呼んだ洞穴を含む海の水、山の水、気温、風などで削られてきた大地の歴史を観ることができる。冬季や波浪の強い時などを避け、崩壊の危険のない時を選んで安全に観察してください。

灰色の岩肌。赤い部分は酸化鉄、黄色い部分は植物、白い部分は塩かと舐めたらしょっぱかった
 

アフンルパロは登別漁港より。人の背丈より少し高い天井の洞窟です。撮影はいずれも荒川昌伸さん

 




地質図幅を見ると、登別泥溶岩という呼称で、普通輝石紫輝石泥溶岩に分類されている。
https://gbank.gsj.jp/geonavi/geonavi.php#16,42.44994,141.19006

cc-by地質図ナビ

泥溶岩とは、1930年以前の溶結凝灰岩の呼びかた。普通輝石、紫輝石が含まれる4万年前までに大噴火を起こし、カルデラを作ったクッタラ火山の噴出物とされている。この地質図幅の解説論文は以下のリンクにある。

 

白老(札幌ー第52号)pp.15 「B登別泥溶岩」

http://www.gsh.hro.or.jp/geology_map/explanation_leaflet_pdf/sapporo52.pdf

5メートルから10メートルの層で、クッタラ火山からの火砕流が降り積もり、自重による加圧と帯熱で、降り積もった火山灰、軽石が一度溶けて冷えながら固まっていた陸上で形成する岩石層である。

白老(札幌ー第52号)pp.15
 

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