上輩寺の五輪塔群(じょうはいじのごりんとうぐん) は、酒匂・上輩寺にある3基の五輪塔(1)。高さ1.61-1.76m、幅0.68-0.70m(1)。いずれも台座・基壇がなく、梵字は刻まれていない(1)。
『風土記稿』の酒匂村・上輩寺の項には、「又墳あり、〔五輪三基並建り、高各五尺四寸(約1.64m)〕」とあって、同寺の開基・酒匂右馬頭(同寺にあった位牌によると正安元年・1299没)の墳墓とされている(2)。しかし、南関東地方に所在する他の五輪塔と比較して水輪塔の形式的な特徴が鎌倉時代のものとは異なることから、造立された時期は南北朝時代以降と考えられている(1)。
造塔の時期が中世まで遡り、また関東の五輪塔の中でも比較的大型の貴重なものとして、2019年(平成31)に市の有形文化財に指定された(1)。
参考資料
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小田原市文化部文化財課、小田原市公式サイト
- 「建造物・上輩寺の五輪搭群」最終更新日 2019年3月7日
- 文化財係「市指定重要文化財の新規指定について」最終更新日 2019年3月8日
- 平成30年度第3回小田原市文化財保護委員会 会議概要(2019年1月28日開催)2019年3月4日作成
- 風土記稿