伝心庵(でんしんあん)、地蔵山は、中町1丁目にある臨済宗大徳寺派の寺院。本尊は釈迦如来(1)(4)。開山は宝岳(大永元年・1521没)(1)(4)。江戸時代には箱根湯本・早雲寺の末寺だった(1)。
沿革
開基は北条早雲の後御前、創建時期は不詳(3)。『全国寺院名鑑』は、開基を北条早雲としている(4)。
後北条氏の時代、伝心庵は同氏の氏寺で、いまの小田原駅東口(江戸時代の永久寺)の辺りに寺地があった。天正18年(1590)に自害した北条氏政・氏照兄弟の遺骸は伝心庵に埋葬された(2)。
後北条氏滅亡後、大久保氏が小田原藩主の時代に、伝心庵は中町に移され、その後に永久寺が建立された(永久寺は今は城山3丁目にある)(2)。『全国寺院名鑑』には、寛永10年(1633)に大破し現在地に移建、とある。
境内
1970年当時、境内は617坪(約45.2m四方)、建物は本堂18坪(約7.7m四方)、庫裡(4)。墓地は200坪(約25.7m四方)(4)。
山王社
稲荷・天神を相殿としていた(1)。
車地蔵
境内に六地蔵堂があり、車地蔵(くるまじぞう)と称していた(1)。
寺紋
寺紋は三つ鱗。(2019年調査)
リンク
- 紋谷幹男「第1728回 伝心庵(でんしんあん)臨済宗大徳寺派/神奈川県小田原市中町」『お宮、お寺を散歩しよう』2015年9月4日
参考資料
- 『風土記稿』
- 小田原市文化部文化財課「史跡 ・北条氏政・氏照の墓所」小田原市公式サイト、2011年7月6日
- 岩崎正純「江戸時代の早雲寺 その断絶と再建過程」(『三浦古文化』No.17、1975年5月、pp.27-42)p.39
- 全日本仏教会寺院名鑑刊行会『〈改定版〉全国寺院名鑑 北海道/東北・関東編』同左、1970年3月(初版1969年3月)、p.422