保安寺(ほうあんじ)、宝生山延命院は、下大井にある東寺真言宗の寺院。本尊は地蔵菩薩。保安年間(1120-1123)の創建で、永正16年(1519)に中興された。江戸時代には、大井町金子の最明寺の末寺だった。(1)
沿革
創建は保安年間(1120-1123)だったが、文明年間(1469-1487)に破壊された。そこで、土地の住人・椙田衛門五郎 入道徳玄という人が、僧・鎮誉と協力して、永正16年(1519)8月に再建した。このため鎮誉を中興開山としている。天文10年(1541)に火災にあったが、同11年(1542)に僧・頼誉が再建した。(1)
『所領役帳』に「一 閼加井坊/23貫900文 西郡 太(大)井保安寺/13貫文 松山 野原/以上36貫900文」とあり(1)(2)、永禄の頃(1558-1570)には村内に寺領があったことがわかる(1)。
什宝
本尊の地蔵菩薩像は、像高1尺6寸(約48.5cm)で、運慶の作とされていた。その傍に、像高3尺5寸(約106cm)、宅間の作とされる十一面観音像があった。また不動尊も安置されていた。(1)
境内
小田原市文化部文化財課によると、境内にシダレザクラの木がある(3)。
寺紋
寺紋は不明。別院に三つ鱗。(2019年調査)
リンク
- 保安寺ウェブサイト
- (株)豊陵「小田原市 保安寺」更新時期不明
- mosumi100「神奈川県小田原市 保安寺 弘法の名水」『清流と泉の気まぐれモノローグ』2014年10月4日
参考資料
- 『風土記稿』
- 佐脇栄智『小田原衆所領役帳』東京堂出版、1998年、p.31
- 小田原市文化部文化財課「天然記念物 ・長興山の枝垂桜」小田原市公式サイト、2011年7月6日