児童遊園(じどうゆうえん)は、児童福祉法(第40条)に規定されている、児童の健康や情操を育むため、屋外での遊びを提供するための施設(1)。屋内で遊ぶための施設は児童館で、これらを合わせて「児童厚生施設」と呼ぶ(1)。同法第7条の児童福祉施設に属する(1)

第40条 児童厚生施設は、児童遊園、児童館等 児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、又は情操をゆたかにすることを目的とする施設とする。(1)

同法第45条で、児童福祉施設の設備・運営について、都道府県が条例で基準を定めるべきことが規定されている(1)

第45条 都道府県は、児童福祉施設の設備及び運営について、条例で基準を定めなければならない。この場合において、その基準は、児童の身体的、精神的及び社会的な発達のために必要な生活水準を確保するものでなければならない。

 都道府県が前項の条例を定めるに当たつては、次に掲げる事項については内閣府令で定める基準に従い定めるものとし、その他の事項については内閣府令で定める基準を参酌するものとする。

(以下略)(1)

児童福祉施設最低基準

児童福祉法第45条の下線部の基準(児童福祉施設最低基準)は、厚生労働省が省令で規定している(2)。児童遊園に関する規定は斟酌規定(1)

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(2)

 児童福祉法(略)第45条の規定に基き、児童福祉施設最低基準を次のように定める。

(中略)

第6章 児童厚生施設

(設備の基準)

第37条 児童厚生施設の設備の基準は、次のとおりとする。

 児童遊園等屋外の児童厚生施設には、広場、遊具及び便所を設けること。

 (略)

 

(職員)

第38条 児童厚生施設には、児童の遊びを指導する者を置かなければならない。

 児童の遊びを指導する者は、次の各号のいずれかに該当する者でなければならない。

(以下各号略)

(遊びの指導を行うに当たつて遵守すべき事項)

第39条 児童厚生施設における遊びの指導は、児童の自主性、社会性及び創造性を高め、もつて地域における健全育成活動の助長を図るようこれを行うものとする。

(保護者との連絡)

第40条 児童厚生施設の長は、必要に応じ児童の健康及び行動につき、その保護者に連絡しなければならない。

神奈川県の基準

児童厚生施設の設備・運営について、神奈川県が条例で定める基準は下記のとおり(3)

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例(3)

 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例をここに公布する。

(中略)

第6章 児童厚生施設
(設備の基準)
第52条 児童厚生施設の設備の基準は、次のとおりとする。
(1) 児童遊園その他の屋外の児童厚生施設には、広場、遊具及び便所を設けること。
(2) (略)
(以下、第53条~第55条が関連条項だが、厚生労働省の省令とほぼ同じ内容なので省略する)

標準的児童遊園設置運営要綱

厚生労働省から、標準的な児童遊園の設置・運営について、要綱(ガイドライン)が発出されている(4)

(別紙)標準的児童遊園設置運営要綱(4)

第1 機能

児童福祉法(略)による児童厚生施設としての児童遊園は、地域における児童を対象として、児童に健全な遊びを与え、その健康を増進し、自主性、社会性、創造性を高め、情操を豊かにするとともに、母親クラブ等の地域組織活動を育成助長する拠点としての機能を有するものである。

 

第2 設置場所

児童遊園は、児童の居住するすべての地域を対象に、その生活圏に見合った設置が進められるべきであるが、当面児童の遊び場が不足している場所に優先的に設置することとする。

 

第3 設備

  1. 敷地は、原則として330m2以上であること。
  2. 標準的設備として、次に掲げるものを設ける必要があること。
    1. 遊具(ブランコ、砂場、滑り台、ジャングルジムなどの設備)
    2. 広場ベンチ便所飲料水設備ごみ入れ
    3. 棚(?)、照明設備
  3. その他、児童の創意・工夫を生かすことのできる付帯的設備を設けることが望ましいこと。
  4. 地域の児童や環境及び保護者の状況等に対応した多様な形態を工夫するとともに、遊具等の配置、道路との接続等その利用に配慮すること。

第4 運営

児童遊園には運営に関しては、児童福祉施設最低基準(略)の定めるところのほか、特に次の事項に留意すること。

  1. 児童遊園には、最低基準第38条に規定する児童の遊びを指導する者(以下「児童厚生員」という。)を配置すること。ただし、他の児童厚生施設の児童厚生員と兼ね、又は巡回の者であってもさしつかえないこと。
  2. 児童厚生員は、近隣地域の児童の遊びの指導を行うものであるが、特に幼児又は小学校低学年児童の遊びの指導と安全の確保に配慮すること。
  3. 児童遊園の適正な管理運営のため、児童委員、児童福祉施設関係者、母親クラブや子供会等の地域組織、社会福祉協議会、地域のボランティア、教育関係者、学識経験者等により構成された児童遊園運営協議会を設置し、児童遊園の環境整備、遊具の保全や更新及び事故の防止等に関し、参加・協力を得るよう努めること。

リンク

小田原の端々』に記事があるが、市のウェブサイトに掲載がないもの(3ヵ所)。

参考資料

  1. e-gov 法令検索>児童福祉法(1947・昭和22年法律第164号、2022・令和4年法律第104号による改正版)
  2. e-gov 法令検索>児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(児童福祉施設最低基準)(1948・昭和23年12月19日厚生省令第63号、2022・令和4年厚生労働省令第175号による改正版)
  3. 神奈川県法規集(2022・令和4年12月28日)>児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例(2013・平成25年1月11日条例第5号、2022・令和4年2月4日条例第4号による改正版)
  4. 厚生労働省>児童遊園の設置運営について - (別紙) 標準的児童遊園設置運営要綱、1992・平成4年3月26日、児育第8号

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