城前寺(じょうぜんじ)、稲荷山祐信院は、曽我谷津にある浄土宗の寺院。本尊は阿弥陀如来。開山は、鎌倉光明寺2世(寂慧)の弟子・三誉故念。江戸時代には芝・増上寺の末寺だった。(1)
寺伝
寺伝によると、三誉故念の没年は永治元年(1141)であるが、その師とされる寂慧は、弘安2年(1279)に光明寺に入り、正慶元年(1332)3月に81歳で死去している。このため、『風土記稿』は、謬伝、と指摘している。(1)
これは江戸時代の曽我物語の流行を背景に、開基を曽我太郎祐信(寺の位牌によると正治2年・1200年没)としたことに合わせて後世に寺伝を変えたものとみられ、『風土記稿』は、同寺の曽我兄弟関連の位牌や寺宝、墓石にまつわる伝承は信用しがたい、と評価している。(1)
本尊
本尊の木造 阿弥陀如来座像は、像高2尺7寸(約82cm)。恵心僧都の作とされていた(1)。
境内
鐘楼
境内の鐘楼には享保3年(1718)の鋳鐘が掛けてあった(1)。
淡島神社
境内に、虎の護持神をご神体とする淡島神社があった(1)。
阿弥陀如来像
境内に、元文元年(1736)に鋳造された阿弥陀如来の銅像があった(1)。
城前寺保育園
併設していた城前寺保育園は、2021年4月に新園舎が完成し、曽我原の交差点へ移転した(2)。
寺紋
寺紋は月影杏葉、「山形に木瓜」。(2019年調査)
リンク
- shimodaitaf「JR東海「さわやかウォーキング」 下曽我駅(1/2) 2019/02/16」YouTube、2019年7月13日※動画には出て来ないが、本堂裏手にも墓碑などがある。
- 小田原市経済部観光課「城前寺」小田原市公式サイト、最終更新:2012年3月13日
- カナロコ「傘を燃やし曽我兄弟を弔う、城前寺で法要/小田原」神奈川新聞、2011年5月28日
- nori0731「城前寺~高浜虚子の句碑」『私の旅日記~お気に入り写真館~』2010年
参考文献
- 『風土記稿』
- 城前寺保育園「2021年4月 新園舎完成!」最終更新 2022年1月6日
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