寿昌寺(じゅしょうじ)、庵谷山(2019年調査。『風土記稿』は「安谷山」としている)は、荻窪にある曹洞宗の寺院。本尊は正観音。天文16年(1547)の創建で、開山は久野・総世寺5世・天祐宗根(天文20年・1551没)。江戸時代には総世寺の末寺だった。(1)
什宝
本尊
『風土記稿』によると、本尊の正観音像は、像高1尺3寸2分(約40cm)、伝行基作(1)。『全国寺院名鑑』によると本尊は十一面観世音菩薩(3)。
開山の肖像
寺宝に開山(天祐宗根)の肖像一幅があった(1)。
境内
1970年当時、境内は200坪(約25.7m四方)、建物は本堂兼庫裡50坪(約12.9m四方)(3)。
荻窪保育園
1970年当時、荻窪保育園を経営(3)。
2022年現在も境内は同園の園庭になっており、開園時は立入できない(2022年調査)。
弁天社
鐘楼
鐘銘に「藤沢山浄光寺」と彫られていた。この鐘は、本尊の夢のお告げで元禄4年(1691)8月22日に境内の土中から出てきたものと伝えられていた(1)。
※電子博物館みゆネットふじさわによると、藤沢の清浄光寺の銅鐘は延文元年(1356)の鋳造。戦国期に小田原城の陣鐘にされ、寛永3年(1626)に城下の寿昌寺から取り戻された、との伝がある。(2)
寺紋
寺紋は五三桐。(2019年調査)
参考資料
- 『風土記稿』
- 電子博物館みゆネットふじさわ 資料詳細 清浄光寺の銅鐘、藤沢市生涯学習部郷土歴史課、更新時期不明
- 全日本仏教会寺院名鑑刊行会『〈改定版〉全国寺院名鑑 北海道/東北・関東編』同左、1970年3月(初版1969年3月)、p.420