山田家のカゴノキ(やまだけのカゴノキ)は、入生田の個人宅にあるカゴノキ(鹿子の木、枝皮に鹿子模様がみられる(1))。2007年当時、幹周り4.03m(2)。国道1号線の入生田のバス停のすぐ北側、箱根登山鉄道の線路の南側沿いの、民家や商店に囲まれた一角に、他のクスノキなどとともに生えている(1)。
1981年(昭和56)に市の天然記念物に指定され(1)、1984年(昭和59)に県によって「かながわ名木100選」に選定された(2)。
診断調査
2007年(平成19)7月に日本樹医会神奈川県支部による「かながわ名木100選」選定樹木の診断調査が行われており、そのときの調査票によると、あまり目立たないが樹勢が幾分影響を受けていて、自然樹形の崩壊がかなり進んでおり、被害の状況として、木の南側に開口部があり、またコブがあって、空洞部にコフキサルノコシカケが生えている。長期的に腐朽部やキノコの継続観察を行い、また、適切な位置で剪定を行う必要がある(箱根登山鉄道による保線のための剪定(板切)が行われていたが、適切でない)とされている。(2)
祠
木の根元に祠とコンクリートの鳥居が建ててある(2)(4)。以前は稲荷神社だったという(1)。2022年現在、「三浦三太夫霊神」の看板が建てられている(誰かしらん…)(4)。2017年頃、木の祠の中には石祠と、五輪塔の空風輪と思しき石造物が逆さまに置かれていたとのことだが(3)、根元は立入禁止のため未確認(4)。
主な計測値
調査 年 |
樹齢 (年) |
樹高 (m) |
幹周 (m) |
枝張 (m) |
資料 |
1981 | NA | 約17.0 |
目通り3.7 株元約5.7 |
東西12 南北12 |
(1) |
2007 | 320 | 12.6 |
胸高4.03 株元5.55 |
東西8.5 南北7.7 |
(2) |
参考資料
- 小田原市文化部文化財課「天然記念物・入生田のカゴノキ」小田原市公式サイト、2021年7月5日
- 日本樹医会神奈川県支部 かながわ名木100選(2007・平成19年12月の報告書)
- 山下浩之「入生田周辺で石材観察」神奈川県生命の星・地球博物館『友の会通信』v.21 n.2、2017年9月、pp.1-2
- 2022年調査