東際寺(とうさいじ)、小竹山は、小竹にある臨済宗建長寺派の寺院。本尊は釈迦如来。江戸時代には鎌倉建長寺の末寺だった。(1)
開基説
寺伝では、開基は松岩古公(応永8年・1401没)、開山は慶堂資善(永享4年・1432没)とされている。『風土記稿』は、実際の開山は古公で、慶堂のときに寺地を得たと推測している。(1)
また寺には鎌倉管領・足利氏満の位牌が安置されており(後述)、氏満によって創建されたとも伝えられていた。(1)
2022年現在、境内墓地に小沢氏の墓石があって、側面(本来の正面?)に「小沢氏開基先祖代々…」と刻されていた(2)。
什宝
足利氏満の位牌
鎌倉管領・足利氏満の位牌が安置されていた。円覚寺の住職・周応曇芳(曇芳周応)の筆跡で、表に法名「永安寺殿壁山全公大禅定門」とあり、裏面には「贈二位権大納言源将軍基氏公之嗣子氏満公之牌、十二歳住山曇芳書之」と刻してあった。(1)
子安地蔵
本尊の釈迦如来のほかに、地蔵菩薩像も安置されていた(1)。像高3尺3寸5分(約101.5cm)で、恵心の作とされ、子安地蔵と号していた(1)。
扁額
本堂の額は氏満の筆(を元禄6年・1693に照岩が書き改めたもの)とされていた(1)。表には「東際寺」の題字と氏満の署名・花押があり、裏書には「永安寺殿氏満将軍之自筆、経三百余年後照岩代改、此縁教人由緒知者也、茲時元禄六癸酉年(1693)」とあった(1)。
2022年現在、本堂には扁額は掛かっていなかった(2)。
境内
華表聖観音
境内に観音堂があり、華表聖観音(とりいせいかんのん)と号していた(1)(2)。『風土記稿』には別の寺院のように記してあるが、移転したのか経緯は不詳。
寺紋
寺紋は「丸に二つ引き」(2019年調査)。
リンク
- 東際寺
- レアリア「「お寺は貴重な地域資源」。小田原市内の古刹「東際寺」平本住職が仕掛ける地域活性化の妙策とは?」2021年9月30日
- カナロコ「「寺町」観光資源に 寺院で演奏会など開催 小田原」神奈川新聞、2019年11月11日
- Peatix「特別企画お寺でSDGs『1DAYリトリート』in 東際寺(小田原)」2018年4月30日
参考資料
- 『風土記稿』
- 2022年調査