正応寺正応寺(しょうおうじ)、満谷山は、府川にある曹洞宗寺院(1)。本尊は釈迦如来(1)(3)。天正年中(1573-1592)に、久野総世寺10世の僧・伝室光[麻香](元和元年・1615没)によって創建された(1)(3)。開基は、江戸・水道橋の万年佐左衛門(3)。江戸時代には総世寺の末寺だった(1)

沿革

(1923・大正12年)関東大震災で倒壊(3)。のちに本堂を復旧し、庫裡を新築、境内を整備した(3)

1970年当時、旧来の特信10戸があった(3)

仏像

  • 本尊の釈迦如来像は、高さ6寸5分(約19.7cm)で、行基の作(1)
  • 薬師如来像は、高さ6寸(約18.2cm)で、恵心の作(1)
  • 地蔵菩薩像は、石造で1寸8分(約5.5cm)、空海の作という(1)
  • 西国・四国・秩父・坂東など各地の観音像に擬した石像が安置されていた(1)。これは住僧の禹門が各地の霊石を集めて、寛政年中(1789-1801)に建立したものといい、それぞれが自然石で高さは8分(2.4cm)ほどだった(1)。1970年当時は、観音堂に収められていた(3)
  • 1970年当時、寺宝に、正応年間(1288-1299)の作という十一面観世音菩薩木像があった(3)

境内

1970年当時、境内は600坪(約44.5m四方)、建物は本堂45坪(約12.2m四方)、庫裡38坪(約11.2m四方)(3)。山林・畑4,500坪(約122m四方)。

本堂

1970年当時の本堂は、350年前(1620年頃)のもの、とされていた(3)

観音堂

境内に観音堂があった(1)。5世中興が建立したもの(3)

天神社

境内に天神社があった(1)

地蔵堂

正応寺 地蔵堂に並ぶ地蔵菩薩境内に地蔵堂があった(4)

土砂災害警戒区域

正応寺を含む府川8-3の区域(206-H26-165 府川8-3)は、神奈川県の土砂災害警戒区域(急傾斜)に(2021年3月19日 告示第150号)、府川沢の区域(41049 府川沢)は、神奈川県の土砂災害警戒区域(土石流)に(2012年12月21日 告示第659号)指定されている(2)

寺紋

正応寺 本堂屋根の寺紋(輪宝寺紋は輪宝(4)

リンク

参考資料

  1. 『風土記稿』
  2. 神奈川県土砂災害情報ポータル 区域図(41049府川沢) 区域図(206-H26-165 府川8-3)
  3. 全日本仏教会寺院名鑑刊行会『〈改定版〉全国寺院名鑑 北海道/東北・関東編』同左、1970年3月(初版1969年3月)、p.421
  4. 2022年調査