眼蔵寺(げんぞうじ)、正法山は、扇町1丁目にある曹洞宗の寺院。本尊は釈迦如来。開山は、足柄上郡川村(山北町)向原・香集寺の2世・香山良聞(天文15年・1546没)で、大永7年(1527年)の創建。江戸時代には香集寺の末寺だった。(1)
開基
開基は、後北条氏の家臣・石巻下野守康敬(法名・至徳院信与観翁、慶長18年(1613)10月1日没)とされていた。康敬の父・下野守康宗の位牌が置かれてあり、位牌に「眼蔵寺殿/石山徳雲居士」と記載してあった。『風土記稿』は、寺号にこの法諡が採られているので、康敬が父のために建立した寺のようだ、としている。(1)
なお、石巻康敬本人の墓は、鎌倉郡中田村(横浜市泉区中田北)の中田寺にあり、同村には康敬の住居跡も残っている(このため、事跡は『風土記稿』の同村の項に詳しく記されている)。(1)
境内
1970年当時、境内は435坪(約37.9m四方)、建物は本堂59坪(約14m四方)、庫裡42坪(約11.8m四方)(2)。墓地は468坪(約39.3m四方)(2)。
石巻康元の墓
境内に石巻権右衛門康元の墓があった。康元は康敬の孫で、御書院番を勤め、駿府在番の時に、同地で没した(眼蔵寺に埋葬された?)。法名は「平常院真了源達」、延宝2年(1674)7月6日没。(1)
五輪の古碑
境内に五輪の古碑が3基並んで立っており、石巻氏の祖先の墓だろう、といわれていた(1)。
観音像
境内に観音像があった(3)。
藤棚
境内に藤棚があった(3)。
寺紋
寺紋は下り藤(2019年調査)。
リンク
- ドクターキムル「眼蔵寺(小田原市扇町1)」4travel.jp、2020年4月2日
- yummy21「小田原市扇町 眼蔵寺(げんぞうじ)の藤」小田原な日々、2015年5月4日
参考資料
- 『風土記稿』
- 全日本仏教会寺院名鑑刊行会『〈改定版〉全国寺院名鑑 北海道/東北・関東編』同左、1970年3月(初版1969年3月)、p.420
- 2022年調査