竺土寺(ちくどじ)、大仙山は、上曽我にある曹洞宗の寺院。本尊は十一面観音。明徳2年(1391)に、関本の最乗寺の開山・了庵により創建された。江戸時代には最乗寺の末寺だった。(1)
縁起
明徳2年(1391)に了庵によって建立され、はじめ竺土庵と号した。開山は同年5月5日に死去したその師・通幻とされていた。了庵が各地を行脚している間に霊のお告げがあり、応永元年(1394)に関本へ行って最乗寺(道了尊)を開いたといわれていた。(1)
本尊
本尊の十一面観音像は像高1尺8寸(約55cm)で、恵心の作とされていた(1)。
境内
喚鐘
本堂の軒に正徳3年(1713)鋳造の鐘が掛けられていた(1)。
薬師堂
境内に薬師堂があった。本尊の薬師如来は、像高2尺7寸5分(約83cm)。上曽我村内の別の場所に堂地があり、竺土寺へ移された経緯は不明だった。(1)
保命権現社
最乗寺と同じく道了尊を祭神とする保命権現社があり、弁天と庚申の像を脇侍としていた(1)。
白山・稲荷・天神合社
六地蔵
境内に六地蔵があった。(2022年調査)
土砂災害特別警戒区域
竺土寺の境内の一部を含む区域(206-H26-03 上曽我02-3)は、神奈川県の土砂災害特別警戒区域(急傾斜)に指定されている(2021年3月19日 告示第150号)(2)。
阿弥陀堂
竺土寺は、上曽我村に2つあった阿弥陀堂のうち1つを管理していた。(1)
寺紋
寺紋は確認できず。(2019年調査)
リンク
- ブナの森、『東京・神奈川の庚申塔』2020年11月15日
- 札幌市 曹洞宗 大乗院薬王寺「平成27年10月21日 神奈川県小田原市 竺土寺御一行様 ご来山」2015年10月25日
- 袴田和夫・今永勇・生命の星・地球博物館岩石ボランティアグループ「国府津 - 松田断層に隣接する小田原市上曽我竺土寺に見出された露頭」『神奈川自然誌資料』No.22:81-83, Mar. 2001
参考資料