綾部粂次郎翁頌徳碑(あやべくめじろうおうしょうとくひ)は、小台出身の実業家綾部粂次郎が、小台や西北神社仏閣の再建や村政・教育・経済・公共の事業に多額の寄附・貢献をしたことを讃える(1)。碑銘によると、1934年(昭和9)4月3日に建てられた(1)

素材は根府川石で、碑文は沼田西念寺の先住・権僧正譲誠による(1)

1984年当時、小台日枝神社の境内右手にあった(1)

碑銘

(表面)
頌徳碑
 翁通称粂次郎綾部氏小台の産、後年土地の名望を負い、村政教育経済公共の事業にして翁の助力を得ざるものなし。喜寿に際し小台新屋柳新田各部落の鎮守神社及び西北消防組同青年団、足柄小学校、道路橋梁等に多額の資を寄進せられたり。翁は夙(つと)に敬神崇祖の信念特に篤く、汎く神社佛閣に詣で浄財を寄附す。嘗て無縁供養の為地蔵菩薩の像を建立し、又関東大震災の時には位牌所蓮乗寺の復興に率先尽力せられたり。又、今上陛下御即位に当り天杯下賜の光栄に浴せらる。頃日鎮守日枝神社の荒蕪を慨(なげ)き、土地五畝金二千五百円を寄附し華表石燈を寄進せられ、神苑社殿の改修建設に竭(つく)さる。起工より竣工に至る実に二百有余日全く面目一新せり。翁今年八十有六歳猶矍鑠(かくしゃく)たり。清廉なる心境高潔なる風丰(ふうぼう)真に郷人の亀鑑と謂うべし。乃て郷党相謀り、石に鐫(え)りて翁の徳を頌すと曰爾
   権僧正謙誠篆額撰文並書
(裏面)
維時 昭和九年四月三日建設
   建設者 氏子一同

資料:(1:26)

参考資料

  1. 穂坂正夫「綾部粂次郎翁頌徳碑」富水西北史談会 編『ききがたり 富水西北の歴史 第1巻』富水西北公民館、1984・昭和59、25-27頁