鬼鹿毛馬頭観音碑(おにかげばとうかんのんひ)は、上曽我にある、碑表に「鬼鹿毛馬頭観世音」と刻された石碑(2)。上曽我公民館の敷地南側にあり、碑銘によると1937年(昭和12)に造立されたもの(1)。
鬼鹿毛馬頭観世音とは、静岡県(駿東郡)小山町新柴(あらしば)の円通寺の馬頭観音のことで、この観音を「新柴のお観音さん」と呼び、(時期不定で)足柄平野の農家には、その縁日に馬を曳いて足柄峠をこえ、人馬ともども参拝にいく風習があった(1)。
市教委1993は、実際に参拝した記念碑的なものでなく、遙拝のために建てたと推測している(1)。
現地案内板の写し
千体仏と鬼鹿毛馬頭観音石碑 (前略) 堂前の鬼鹿毛馬頭観世音の碑は、静岡県小山町新柴(あらしば)の円通寺の馬頭観音のことである。この観音を「新柴のお観音さん」と呼び、以前、足柄平野の農家ではこの縁日に馬を曳いて足柄峠をこえ、人馬ともども参拝にいった。
碑の昭和12年(1937)の年号は、□では参拝しなくなった時代に、遙拝(はるかにはなれたところから拝む)の対象として建てられたものかと思われる。
小田原市教育委員会(1) |
参考資料
- 市教委1993:小田原市教育委員会「千体仏と鬼鹿毛馬頭観音石碑」現地案内板、小田原市ふるさと文化基金、1993年(平成5)1月設置、2022年閲覧
- 2022年調査