24日 カナロコ:小田原市、放置自転車違法処分で37台に補償金45万円
経緯
小田原市は、2020年6・8・10月に小田原駅前などの放置禁止区域で回収した自転車120台について、市の条例では、撤去から60日間保管し、防犯登録番号から割り出した持ち主に通知書を送致して引取りを求めることになっているにもかかわらず、担当者が持ち主への通知を行わないまま、保管期限の切れた86台を廃棄処分し、34台を自転車販売店で構成される県自転車商組合小田原支部に譲渡していた(1)。
2021年4月に担当職員が交替したことで、通知書の未送付、前担当者の業務懈怠が発覚した(1)。
補償
この件は2021年8月28日付のカナロコで報道されていたが(1)、2022年5月24日のカナロコによると、小田原市は問題発覚後に(120台のうち、連絡先が判明した?)全ての持ち主に謝罪文を送付し、賠償金を請求した42人のうち、2022年4月末までに示談が成立した37人に対して計45万円の賠償金を支払っていた(2)。カナロコは「賠償金」と報じているが、示談が成立しているので「補償金」と思われ。
37台のうち、13台は放置禁止区域に駐輪して即日撤去されたもので、24台は路上や無料駐輪場に駐輪した自転車で、警告文を貼ってから1週間以上、持ち主が回収していなかったもの。120台の中には、盗難の被害届が出ていた自転車が8台含まれていた。(2)
市によると、盗難に遭ったかそれ以外かによって補償額が変わることはない(2)。
感想
市職員の怠慢・懈怠がひどくて市民の日常生活を脅かす違法なレベルに達している事例というのは、小田原ではそれほど珍しい話とも思われない。
本件は、新任の職員がキチンと前任者の職務怠慢を報告して被害者への補償まで行われたという点で、彼人を褒めるべき事案であろう。
参考資料
- カナロコ「小田原市、放置自転車を無断処分 「失念」通知出さず」神奈川新聞、2021年8月28日
- カナロコ「放置自転車無断処分で45万円賠償 小田原市、37人と示談 路上などに1週間以上放置の24台にも」神奈川新聞、2022年5月24日